100万アクセス記念アンケート10位 真宮寺さくら~三本勝負は思わぬ結果に~
サクラ大戦 - 2020年11月26日 (木)
「では、参ります」
真宮寺さくらは剣術の模擬戦に臨んでいた。
相手は新興流派『操真一刀流』師範、寒沢幻斎(さむざわ げんさい)
さくらの相手にとって不足はない。
二本先取の三本勝負で行われる模擬戦は、初戦を「上剣」の勝負で行う。
これは上半身のみを使っての立会いだ。
実力差はことのほか大きく、一本目はさくらの圧勝で終わった。
「では、二本目。「下剣」の勝負に移ります」
「わかりました」
寒沢幻斎は下剣の構えを作り、さくらも同様に構えを作る為、不要な衣を脱ぎ始めた。
「始める前にお伝えしなくてはいけないことがあります」
「それはこの二本目は、私の負けだということです」
「ほう…それはどういった了見ですかな?」
さくらは少し恥ずかしそうにして間を置くと、服を脱いで素肌を晒した。
「この通り、恥ずかしながら私には下の剣は無いので、あなたの勝利です」
「ですので、そのまま三本目の鞘合わせと行きましょう」
「あなたの下剣と私の鞘を合わせて、どちらが上かを競うんです」
「構いませんよ。ここで始めますか?」
「いえ、3本目は長期戦の可能性を考慮し、別室で行います。ついてきてください」
「わかりました」
さくらに案内された場所で、3本目の勝負が行われた。
一見するとセックスにしかみえない3本目の勝負は、さくらの見込み通り休憩を挟んで数時間にも及ぶ長期戦となった。
―――
「勝負は互角でしたね」
「鞘合わせでは相性抜群でしたし、どうでしょう」
「これから剣と鞘、パートナーになっていただけないでしょうか」
「ほう、ではあなたがこの寒沢幻斎の鞘になると?」
「はい。もちろん剣と鞘は、剣が主で鞘は付属品にすぎませんから、あなたの方が立場が上という形でのパートナーとなります」
「なるほど。その条件なら良いでしょう」
「ありがとうございます!それでは幻斎様、これから宜しくお願い致します」
「あぁ、よろしく頼むぞ!」
こうして二人は主従という名のパートナー関係を結んだ。
それから5年のうちにさくらは3人の子を授かり、気付けば寒沢の籍に入って寒沢さくらとして幻斎を支える良き妻となるのだった。