Mind control Days / first day
School Days - 2020年01月09日 (木)
桂言葉。
最近意中の相手だった伊藤誠と付き合うことになり、幸せ真っ最中の彼女。
そんな言葉はある日、『人を操ることができる携帯』を手に入れる。
半信半疑、冗談半分で母親に使ってみたのだが、なんと効果は発揮され、母親を操ることが出来てしまったのだ。
大変な物を手にしてしまったと動揺した言葉だが、それ以来使うのはやめた。
人を操るなんてするべきじゃないし、その必要もないからだ。
「言葉、どうした?」
「いえ、なんでもないんです。それより誠くん、これも作ってきたんです」
「お弁当……嬉しいよ!」
「ふふ、お口に合うといいんですが」
誠との幸せな日常、それがあればあんなものに頼る必要はない。
そう思っていた彼女の気持ちを揺るがす出来事が起きてしまう。
「こ、言葉……!」
「桂さん……!?」
誠が世界と浮気している現場を目撃してしまったのだ。
「こ、これはどういうことですか!?」
世界に詰め寄る言葉だが、浮気相手の世界からとんでもない発言が飛び出る。
「ごめんね桂さん……誠は…私と付き合うわ」
「は、はい!?」
「言葉……ごめん……」
「誠くん!?」
浮気どころか自分と別れて世界と付き合うという誠に、言葉は激しいショックを受けるとともに、怒った。
そしてその怒りはまともな判断力を言葉から奪い、咄嗟に例の携帯を使ってしまう。
誠と世界は人を操る力を持つ携帯に為す術なく、我を忘れた言葉によって脳を弄られてしまった。
言葉は世界に誠を諦めさせ、誠には世界のことを捨て再び自分だけを愛するようにしたのだ。
誠の心を操り再び自分の恋人として取り戻した言葉は、世界のいる場でさらに暴走する。
「ああっ
誠くんっ
誠くんが好きなのは、だ、誰ですかっ
」
「言葉、お前だけだっ」
「ま、誠……」
「目の前のっ
西園寺さんのことは、どう思いますかっ」
「ただの知り合い。なんとも思わない」
なんと言葉は世界の前で誠とのセックスを見せつけたのだ。
誠から世界への愛情と興味を奪い、世界には暗示で自分の言うことを断れないようにしたうえで、さらに完璧な敗北感を植え付け、二度と邪魔しないように誓わせたのだ。
「……というわけで、二度と私と誠くんの間に入ってこないでくださいね」
「んんっ
ま、誠くんは私だけの誠くんなんですからっ」
「わかりました……私は二度とあなた達の間に入りません」
こうして世界を排除した言葉だが、言葉をさらなる不安が襲う。
世界以外の人間も誠のことを好きになる可能性がある。
そう思ったら不安で仕方がなかった。
そうなった言葉は誠と接点のある女を徹底的に調べ、排除していくことにした。
「桂、何か用?」
「……用件はもう終わりました」
「は?」
「質問です。あなたは伊藤誠という人を知っていますか?」
「突然何よ。誰それ、聞いたことも無いわ。伊藤誠……?」
「そうですか。知らないならいいんです。ところで、あなたは私のこと、どう思っていますか?正直に答えてください」
「え?それは……えっと、あれ……?」
「うぅ……こ、怖い……です」
「ふふ、それで?」
「怖いから……逆らえません…何を言われても……従っちゃうと思います」
「そうですか。それがわかれば十分です」
誠の幼馴染である加藤乙女。
彼女からは誠との思い出を全て消し去り、赤の他人にしてしまった。
それに加えて自分に対する嘘はつけないようにし、さらに畏怖させ、いいなりにしてしまった。
ここまでするのは、幼馴染という太い関係性に言葉が強い嫉妬を覚えていたからだ。
乙女のような幼馴染は言葉にとって特に危険だったが、誠と関係性の薄い者も排除の対象外ではなかった。
「私に用?」
「はい。黒田さん……今日誠くんとしゃべってましたよね?」
「それが?」
誠と知り合いの黒田光。
関係性が薄めに思える彼女も例外ではない。
「それだけでも、私にとっては危険なんです」
少しでも会話していればそれだけで携帯を使い心を操り、誠から切り離す理由になるのだ。
「せ、刹那と七海も!?」
『断るんですか?』
「……い、いえ……従います……」
言葉に命令された世界は親しい二人を差し出させられ、清浦刹那と甘露寺七海も毒牙にかけられてしまう。
「ごめんね、刹那……」
「えっ?」
「……これで良し、と」
「清浦刹那さん、あなたは私のなんですか?」
「なんでも言うことを聞く、絶対に裏切らない友達」
「ではあなたにとって伊藤誠くんはどんな存在ですか」
「恋愛対象に入らない、普通のクラスメイト」
「結構です」
(次は……甘露寺さんですね)
刹那を直接的に操った言葉だが、甘露寺七海は向こうから毒牙に掛かりにやってきた。
「あんた、世界になにしたの!?」
「あら、そちらから来てくれましたか」
「はぁ!?やっぱり何かしたのね!?」
「……何かというかですね、然るべき処置を取らせて頂きました」
「あなたにも同じことをするつもりだったんです」
「ど、どういう意味だよ!」
「すぐにわかりますよ」
やることはこれまでと一緒。
携帯を使い、七海の心も操り縛る。
簡単な操作で激昂していた七海は、あっさりと気を静め、いいなりへと作り変わる。
その間、実に数秒の出来事であった。
「それでは甘露寺さんに質問します。貴方は私のなんですか?」
「私はあんたの友達……」
「普通の友達ですか・?」
「ううん、すごく上下関係のある友達。私はなんでも言うことを聞かなきゃいけない。……でも、従うのは私の意志でだよ」
「それでいいんです」
「では、これから私の為に色々と協力してもらいます。いいですね?」
「うん、何でも言って。どんなことだって、力を貸すよ」
バスケ部を中心とした運動部に力を持つ七海をいいなりにしたことで、邪魔者の排除は効率よく進んだ。
数週間のうちに誠との恋愛を邪魔する者はいなくなり、言葉にとって学園は完全な恋愛安全地帯となったのだった。
もはや邪魔者はいない、安心できる二人だけの空間。
学園にいる間は、誠に色目を使う女もいない。いたとしても、簡単に排除できる。
七海を使い女子バスケット部を完全に手中に収めたことで、
部室を簡易ラブホとして使用できるようになった。
無料で使え、二人っきりに慣れる個室の存在は、二人の愛を育むのにこれ以上ない環境。
ここまでしてようやく幸せな日々が手に入ったと言葉は満足していた。
しかしその幸せは長くは続かなかった。
ある時、映画部が外で撮影をしているところに赴いた言葉は、部長をはじめとする映画部員をマインドコントロールした。
「さて、これでよしと」
「映画部のみなさんの協力があれば、視聴覚室を誠くんとのデートスポットにできますね♪」
娯楽目的の為に手を出したわけだが、これが仇となった。
マインドコントロールしているところを同じクラスの男子生徒である織寺成(おりでら なる)に見られてしまっていたのだ。
そして悪いことに、織寺成は油断している言葉の物陰から飛び出して携帯を奪い取ってしまった。
慌てて取り返そうとする言葉だったが、簡単な操作で人を操れてしまうのがこの携帯の恐ろしいところ。
成から奪い返す前に言葉は操られてしまう。
「……」
「良かった、俺が使っても効果あったか」
成は言葉が映画部員にしていたのと同じことをして、何でも言うことを聞くようにしてしまう。
好意的に、どんなことでも従い、危害を与えようと言う思考や変更的な感情を取り除く。
携帯を奪われて心を変えられたと言う一連の流れの記憶は念のために消して、代わりに以前からずっと成のいいなりだったという記憶を与える。
そうやって都合の良い女にされてしまった言葉に成が最初に求めたこと、それは言葉との性行為だった。
成の自宅に連れ込まれた言葉は、求めに応じて体を開こうとしていた。
(誠くんが……)
恋人である誠を裏切ってしまうことに対しては罪悪感があるが、浮気になる性行為自体は暗示によって好意的に受け止めていて、成とのセックスは喜んで応じた。
大切な感情、大切な思い、人と人との関係性、それらを全て壊され奪われる催眠暗示。
それは全て言葉自身もしてきたことであり、手を広げ過ぎた言葉の因果応報だった。
「ああ、桂の体、最高だよっ」
「すごいっ、女の体って……はぁはぁ、こんなにいいのか……!」
誠にしか抱かれたことの無い、誠だけのものだった言葉の体。
誠の形を覚え、誠に最適になった体。
それらが全て、織寺成という男の物へ上書きされていく。
だがそれは始まりに過ぎない。
催眠支配された言葉は体を差し出されるだけではなく、これまで築きあげてきた全てを奪われる。
映画部以外にも言葉が支配していた者、それら全員を差し出せと命令される。
女も男も、これまで言葉の毒牙にかけられてきた大勢の人間が、そっくりそのまま成のものになるのだ。
そして、言葉の強力な支配者という地位を引き継ぎ、人を操る携帯も手に入れた成は、好き放題の生活を始めるのだった。
つづく
最近意中の相手だった伊藤誠と付き合うことになり、幸せ真っ最中の彼女。
そんな言葉はある日、『人を操ることができる携帯』を手に入れる。
半信半疑、冗談半分で母親に使ってみたのだが、なんと効果は発揮され、母親を操ることが出来てしまったのだ。
大変な物を手にしてしまったと動揺した言葉だが、それ以来使うのはやめた。
人を操るなんてするべきじゃないし、その必要もないからだ。
「言葉、どうした?」
「いえ、なんでもないんです。それより誠くん、これも作ってきたんです」
「お弁当……嬉しいよ!」
「ふふ、お口に合うといいんですが」
誠との幸せな日常、それがあればあんなものに頼る必要はない。
そう思っていた彼女の気持ちを揺るがす出来事が起きてしまう。
「こ、言葉……!」
「桂さん……!?」
誠が世界と浮気している現場を目撃してしまったのだ。
「こ、これはどういうことですか!?」
世界に詰め寄る言葉だが、浮気相手の世界からとんでもない発言が飛び出る。
「ごめんね桂さん……誠は…私と付き合うわ」
「は、はい!?」
「言葉……ごめん……」
「誠くん!?」
浮気どころか自分と別れて世界と付き合うという誠に、言葉は激しいショックを受けるとともに、怒った。
そしてその怒りはまともな判断力を言葉から奪い、咄嗟に例の携帯を使ってしまう。
誠と世界は人を操る力を持つ携帯に為す術なく、我を忘れた言葉によって脳を弄られてしまった。
言葉は世界に誠を諦めさせ、誠には世界のことを捨て再び自分だけを愛するようにしたのだ。
誠の心を操り再び自分の恋人として取り戻した言葉は、世界のいる場でさらに暴走する。
「ああっ



「言葉、お前だけだっ」
「ま、誠……」
「目の前のっ

「ただの知り合い。なんとも思わない」
なんと言葉は世界の前で誠とのセックスを見せつけたのだ。
誠から世界への愛情と興味を奪い、世界には暗示で自分の言うことを断れないようにしたうえで、さらに完璧な敗北感を植え付け、二度と邪魔しないように誓わせたのだ。
「……というわけで、二度と私と誠くんの間に入ってこないでくださいね」
「んんっ

「わかりました……私は二度とあなた達の間に入りません」
こうして世界を排除した言葉だが、言葉をさらなる不安が襲う。
世界以外の人間も誠のことを好きになる可能性がある。
そう思ったら不安で仕方がなかった。
そうなった言葉は誠と接点のある女を徹底的に調べ、排除していくことにした。
「桂、何か用?」
「……用件はもう終わりました」
「は?」
「質問です。あなたは伊藤誠という人を知っていますか?」
「突然何よ。誰それ、聞いたことも無いわ。伊藤誠……?」
「そうですか。知らないならいいんです。ところで、あなたは私のこと、どう思っていますか?正直に答えてください」
「え?それは……えっと、あれ……?」
「うぅ……こ、怖い……です」
「ふふ、それで?」
「怖いから……逆らえません…何を言われても……従っちゃうと思います」
「そうですか。それがわかれば十分です」
誠の幼馴染である加藤乙女。
彼女からは誠との思い出を全て消し去り、赤の他人にしてしまった。
それに加えて自分に対する嘘はつけないようにし、さらに畏怖させ、いいなりにしてしまった。
ここまでするのは、幼馴染という太い関係性に言葉が強い嫉妬を覚えていたからだ。
乙女のような幼馴染は言葉にとって特に危険だったが、誠と関係性の薄い者も排除の対象外ではなかった。
「私に用?」
「はい。黒田さん……今日誠くんとしゃべってましたよね?」
「それが?」
誠と知り合いの黒田光。
関係性が薄めに思える彼女も例外ではない。
「それだけでも、私にとっては危険なんです」
少しでも会話していればそれだけで携帯を使い心を操り、誠から切り離す理由になるのだ。
「せ、刹那と七海も!?」
『断るんですか?』
「……い、いえ……従います……」
言葉に命令された世界は親しい二人を差し出させられ、清浦刹那と甘露寺七海も毒牙にかけられてしまう。
「ごめんね、刹那……」
「えっ?」
「……これで良し、と」
「清浦刹那さん、あなたは私のなんですか?」
「なんでも言うことを聞く、絶対に裏切らない友達」
「ではあなたにとって伊藤誠くんはどんな存在ですか」
「恋愛対象に入らない、普通のクラスメイト」
「結構です」
(次は……甘露寺さんですね)
刹那を直接的に操った言葉だが、甘露寺七海は向こうから毒牙に掛かりにやってきた。
「あんた、世界になにしたの!?」
「あら、そちらから来てくれましたか」
「はぁ!?やっぱり何かしたのね!?」
「……何かというかですね、然るべき処置を取らせて頂きました」
「あなたにも同じことをするつもりだったんです」
「ど、どういう意味だよ!」
「すぐにわかりますよ」
やることはこれまでと一緒。
携帯を使い、七海の心も操り縛る。
簡単な操作で激昂していた七海は、あっさりと気を静め、いいなりへと作り変わる。
その間、実に数秒の出来事であった。
「それでは甘露寺さんに質問します。貴方は私のなんですか?」
「私はあんたの友達……」
「普通の友達ですか・?」
「ううん、すごく上下関係のある友達。私はなんでも言うことを聞かなきゃいけない。……でも、従うのは私の意志でだよ」
「それでいいんです」
「では、これから私の為に色々と協力してもらいます。いいですね?」
「うん、何でも言って。どんなことだって、力を貸すよ」
バスケ部を中心とした運動部に力を持つ七海をいいなりにしたことで、邪魔者の排除は効率よく進んだ。
数週間のうちに誠との恋愛を邪魔する者はいなくなり、言葉にとって学園は完全な恋愛安全地帯となったのだった。
もはや邪魔者はいない、安心できる二人だけの空間。
学園にいる間は、誠に色目を使う女もいない。いたとしても、簡単に排除できる。
七海を使い女子バスケット部を完全に手中に収めたことで、
部室を簡易ラブホとして使用できるようになった。
無料で使え、二人っきりに慣れる個室の存在は、二人の愛を育むのにこれ以上ない環境。
ここまでしてようやく幸せな日々が手に入ったと言葉は満足していた。
しかしその幸せは長くは続かなかった。
ある時、映画部が外で撮影をしているところに赴いた言葉は、部長をはじめとする映画部員をマインドコントロールした。
「さて、これでよしと」
「映画部のみなさんの協力があれば、視聴覚室を誠くんとのデートスポットにできますね♪」
娯楽目的の為に手を出したわけだが、これが仇となった。
マインドコントロールしているところを同じクラスの男子生徒である織寺成(おりでら なる)に見られてしまっていたのだ。
そして悪いことに、織寺成は油断している言葉の物陰から飛び出して携帯を奪い取ってしまった。
慌てて取り返そうとする言葉だったが、簡単な操作で人を操れてしまうのがこの携帯の恐ろしいところ。
成から奪い返す前に言葉は操られてしまう。
「……」
「良かった、俺が使っても効果あったか」
成は言葉が映画部員にしていたのと同じことをして、何でも言うことを聞くようにしてしまう。
好意的に、どんなことでも従い、危害を与えようと言う思考や変更的な感情を取り除く。
携帯を奪われて心を変えられたと言う一連の流れの記憶は念のために消して、代わりに以前からずっと成のいいなりだったという記憶を与える。
そうやって都合の良い女にされてしまった言葉に成が最初に求めたこと、それは言葉との性行為だった。
成の自宅に連れ込まれた言葉は、求めに応じて体を開こうとしていた。
(誠くんが……)
恋人である誠を裏切ってしまうことに対しては罪悪感があるが、浮気になる性行為自体は暗示によって好意的に受け止めていて、成とのセックスは喜んで応じた。
大切な感情、大切な思い、人と人との関係性、それらを全て壊され奪われる催眠暗示。
それは全て言葉自身もしてきたことであり、手を広げ過ぎた言葉の因果応報だった。
「ああ、桂の体、最高だよっ」
「すごいっ、女の体って……はぁはぁ、こんなにいいのか……!」
誠にしか抱かれたことの無い、誠だけのものだった言葉の体。
誠の形を覚え、誠に最適になった体。
それらが全て、織寺成という男の物へ上書きされていく。
だがそれは始まりに過ぎない。
催眠支配された言葉は体を差し出されるだけではなく、これまで築きあげてきた全てを奪われる。
映画部以外にも言葉が支配していた者、それら全員を差し出せと命令される。
女も男も、これまで言葉の毒牙にかけられてきた大勢の人間が、そっくりそのまま成のものになるのだ。
そして、言葉の強力な支配者という地位を引き継ぎ、人を操る携帯も手に入れた成は、好き放題の生活を始めるのだった。
つづく