真剣で私に相談しなさい!椎名京編その4
真剣で私に恋しなさい! - 2018年11月16日 (金)
休日、風間ファミリーは総出で海に来ていた。
水着に着替えた者から、浜辺に集合する。
男性チームは当然すぐに集合したが、女性陣はまだクリスと一子だけだ。
「やーまと
」
「京……!」
3人目にやってきた京の水着に思わず見とれる大和。
そのすぐ後に百代もやってきたが、由紀江がいない。
「まゆっちはちょっと汗かいたから最初にシャワー浴びるって言ってたぞ」
「先に遊んでてくれだってさ」
「そっか。じゃ、風間ファミリーの海開きだ!!」
キャップである風間が海に飛び込んだのを皮切りに、ガクトや大和、一子にクリスと続く。
風間ファミリーの楽しい海遊びが始まったころ、シャワーを浴びている由紀江はまだ合流に時間がかかりそうだった。
―――
「は、早く行かないと怪しまれますっ
」
「怪しまれたっていいでしょ?それに百代が上手く言ってくれてるから大丈夫」
「あああっ
で、でしたらたくさんっ
たくさんしてくださいっ
」
新人格マユマユに取って代わられた黛由紀江は、シャワー室で操助に抱かれていた。
声が漏れないように強めにシャワーを出しているが、それでも多少は周りに聞こえていただろう。
由紀江は水着に精液をかけられてしまうと合流した時に勘付かれてしまうので中出しして欲しいとねだった。
だが操助はその理由では中出ししてやれないと、外出ししてしまう。
「み、水着が……」
「そ、それに操助さんの精液が……も、もったいないです……」
「だろ?どうせ出すんなら中がいいだろ?」
「はう……はい、操助さんの精液……欲しいですっ
」
「ようやく素直になったね。最初からそう言えば中出ししてあげたのに」
「も、申し訳ありませふあああっ
」
素直に精液をおねだりしたマユマユを操助はチンポで激しく貫き、たっぷりと中出しした。
「ふああっ
操助さんの精液ぃ……
」
「あーすっきりした。はは、中にだしてもこぼれちゃったね」
「はいぃ……けど、精液注いでもらったらどうでも良くなっちゃいましたぁ
」
「あはは!マユマユは現金だねー」
その後、マユマユは操助と偶然会ったという体で一緒に海辺まで歩き、そのまま風間ファミリーに合流した。
水着についた精液をできるだけ綺麗にしたが、中出しされた精液がこぼれないように股間を締めているから少し内股気味だ。
その微妙な変化に男性陣はもちろん、操助の姿を見て駆け寄ってきた一子も気付かないが、事情を知っている百代だけは察した。
「やぁ百代。こんなところで会うなんてグーゼンだね」
「ですねー
私も驚いてますよ、こんなところで操助さんに遭遇するなんて」
「一子も相変わらず元気そうだね」
「はいっ
ところで、御主人様!おひとりですか?」
「まぁね」
軽く挨拶を済ませたところで、京がいないことに気付く。
「京はいないの?」
「あぁ、それなら……」
百代がグッと体を近づけて耳打ちする。
「京なら大和と散歩に行きましたよ」
「私達も抜け出して、シませんか
」
「それもいいけど、今は京を仕上げたいんだ」
京が大和と一緒に集団から離れているのは都合がいいと、百代を放っておいて京たちの後を追うことにした操助。
「あ、そうそう。マユマユのアソコには俺のザーメンがたっぷり入ってるから、かき氷を食べる時は練乳代わりに使っていいよ」
「えっ?」
「それじゃあまたあとでね」
そう言って駆け足で去って行った操助の背中を見ながら、百代と一子は今の言葉の意味を確認し合う。
「ワン子、操助さんが言った意味……わかるか?」
「えっと……つまり、そうしろってことよね?」
「だよな。私もそう思う」
「ってことは、かき氷を買ってこないといけないわね」
「そうだな。私はマユマユを抑えておくから、ワン子はかき氷を買ってきてくれ」
「はーい♪」
そんな会話を川神姉妹がしている頃、京と大和は浜辺の散歩と言う建前でデートを楽しんでいた。
「大和……素敵な浜辺だね
」
「そうだな。波も穏やかだろうし」
京が操助の愛人になってから、そもそもデートそのものが出来ていなかった二人は、この特別な時間を楽しんでいた。
「ちょっとあそこの堤防行ってみようか。手摺もあるし、安全だろうから」
「ふふ、大和が落ちても私が助けるよ」
「そんなかっこ悪いことにはならないようにするさ」
「そうだね
」
仲良く散歩しながら、海水浴場から少し外れたところにある堤防に移動する。
誰もいない堤防で、二人っきりの幸せなひと時。
それはすぐに終わってしまった。
「だ、伊達さん……!」
よりにもよって伊達操助が現れたのだ。
「これはこれは……いやぁ~凄い偶然だなー」
偶然なわけがない。そう思う二人だが、言葉を飲みこむ。
「それにしてもちょうど良かったよ」
「……どういう意味ですか」
「わかるでしょ?こんな開放的な場所に誰もいない、となればスッキリしたいじゃない?」
「だ、伊達さん……」
京をかばうように前に立つ大和だったが、こうなることを薄々予感していた京は諦めた表情を見せて操助に近寄った。
「せっかく大和くんっていうギャラリーがいるんだ、俺達のセックスを見せてあげよう」
「……わかりました……操助さん……」
涙ながらに大和の前で抱かれる京。
こういうことは過去にもあったが、直前まで幸せな時間を送っていた二人にはあまりにも辛いことだった。
そしてさらに追い打ちをかける出来事が起きてしまう。
「嫌ああああああ!!」
「み、京っ!?」
「おっ?あれ、ハハ、イッちゃった?」
なんと京がイッてしまったのだ。しかも盛大に漏らしながら。
操助もこれは意外そうだったが、大和は京がなぜ絶叫したのか、その意味を正しく理解できなかった。
イクと同時に全ての愛情が操助に移行してしまうということを大和は知らないので、だたイキながら漏らしたのを見られたくないから絶叫したとしか思わなかったのだ。
「嫌ああ……ああっ……そんな……いやぁ……
」
目の前にいる大和に何も感じなくなり、完全に愛情が操助に移ってしまったことをを自覚した京は、絶望と歓喜の感情で混乱する。
が、肝心の大和はそんな京の心境の変化を知る由もない。
(本当は1日かけて落とすつもりだったけど、これはこれで面白いか)
「京、俺はまだ射精してないんだよ」
「は、はいぃ……
」
「そろそろこの体勢も辛くなってきたし、今度はバックでするから」
「わかりました……操助さん
」
「ああっ♥ひああんっ♥」
「み、京……!」
後ろから見ている大和には、抱かれる京の悦びの表情は見えない。
喘ぎ声も先入観のせいで悲鳴に聞こえているので、自分の為に頑張ってくれている京を直視することはできなかった。
「ふふ、大和くん。これ以上見ているのは辛いだろうから、もう戻っていいよ」
「少ししたら、京は返してあげるから」
「……はい」
大和はその場を離れ、百代たちと合流することも無く人気のないところを歩いた。
こんなに気持ちが沈んだ状態を誰かに見られたら心配されてしまうし、京が解放されたならすぐにでもケアをしてやりたかったからだ。
そんな大和の気持ちとは裏腹に、操助と二人っきりになった京はある宣言をしていた。
「大和への愛情、全部操助さんに移っちゃいましたっ
」
「私はっ
椎名京はっ
もう操助さんのものですっ
」
愛情が移った瞬間こそ戸惑ったが、これまで耐えてきた日々でイクということはそういうことだとしっかり認識していた京は、すぐに諦めて気持を切り替え、あっさりと伊達操助への愛を語った。
それは同時に椎名京にとって、直江大和がただの他人に成り下がったことでもあった。
「もう大和なんてどうでもいいです。戻りたくもない……だから今日は私と一緒にいてくれませんか
」
「それも悪くないけど、お前には直江大和との関係を続けてもらうよ」
「……えっ?」
言葉の意味が理解できずキョトンとする京に、操助はお前達はモデルケースだと言い放った。
その内容は京が大和との恋愛関係を続けなくてはいけないというもので、愕然とする。
「最終的には直江大和と偽装結婚して直江京になってもらう。子供はしっかり俺の子を孕ませてやるから安心していいよ」
「そして出来た俺と京の子を直江大和に育てさせる、それが最終目的かな」
どんなに愛している人の頼みでも、好きでもない男と偽装結婚して子供を育てろと言われれば拒否するのが普通だろう。
当然京も拒絶の意志を示したが、これまで直江大和相手に育んできた大きすぎる愛情が仇となってしまった。
「俺の頼み……いや命令だけど、聞いてくれるね?」
「うぅ……はい……操助さんのためなら……なんだってします」
かつて頼まれずとも直江大和の愛人を受け入れてすらみせた京が、愛する操助の命令を断るわけがなかったのだ。
「ありがとう、それでこそ俺の京だ」
「とはいえこれから色々と辛いだろうから、風間ファミリーの女性メンバーには打ち明けても良いし、今後のことを相談したりしていいよ。直江大和を欺くにも協力者がいた方が何かと楽だろうしね」
「お気遣い……ありがとうございます」
こうして椎名京は伊達操助の手に落ち、誰よりも大きく誰よりも一途で誰よりも絶対的な愛情を向けるようになった。
その後、大和と合流した京は精一杯これまで通りの演技をしたが、大和はいつもとの違いを感じ取った。
しかしそれは、楽しいデートをあんな形で邪魔されたからなのだと都合よく解釈してしまう。
もしかしたら愛情が奪われたことに薄々気付いていたかもしれない。
だがそうだったとしても、大和はそれを認めたくなかったのだろう。
事実、大和は何も言わずこれまで通りと同じ接し方を京にした。
―――
日が暮れ、夜。
風間ファミリーは宿に入り、女性陣はみんなで露天風呂に入っていた。
「いやー、それにしてもまさか操助さんと出くわすとなー
」
夜の温泉でガールズトークを楽しむ面々。
百代や一子、それに由紀江が操助の話で盛り上がる中、クリスが京に話を振る。
「伊達操助さんか……これだけの女性に好かれるなんて凄い人なんだな」
「しかし私は正直、みんなが言うほどの魅力を感じないな。大和一筋の京はどう思う?」
「……」
「京?」
操助の話を振られて言葉につまった京がだが、少しして口を開いた。
「クリス、実はね……」
つづく
真剣で私に相談しなさい!シリーズ 時系列順
①黛由紀江編
②小島梅子編
③川神百代編
④小島梅子編その2
⑤川神一子編
⑥椎名京編
⑦川神一子編その2
⑧黛由紀江編その2
⑨黛由紀江編その3
⑩椎名京編その2
⑪黛由紀江編その4
⑫川神一子編その3
⑬小島梅子編その3
⑭椎名京編その3
⑮小笠原千花編
⑯甘粕真与編
水着に着替えた者から、浜辺に集合する。
男性チームは当然すぐに集合したが、女性陣はまだクリスと一子だけだ。
「やーまと

「京……!」
3人目にやってきた京の水着に思わず見とれる大和。
そのすぐ後に百代もやってきたが、由紀江がいない。
「まゆっちはちょっと汗かいたから最初にシャワー浴びるって言ってたぞ」
「先に遊んでてくれだってさ」
「そっか。じゃ、風間ファミリーの海開きだ!!」
キャップである風間が海に飛び込んだのを皮切りに、ガクトや大和、一子にクリスと続く。
風間ファミリーの楽しい海遊びが始まったころ、シャワーを浴びている由紀江はまだ合流に時間がかかりそうだった。
―――
「は、早く行かないと怪しまれますっ

「怪しまれたっていいでしょ?それに百代が上手く言ってくれてるから大丈夫」
「あああっ



新人格マユマユに取って代わられた黛由紀江は、シャワー室で操助に抱かれていた。
声が漏れないように強めにシャワーを出しているが、それでも多少は周りに聞こえていただろう。
由紀江は水着に精液をかけられてしまうと合流した時に勘付かれてしまうので中出しして欲しいとねだった。
だが操助はその理由では中出ししてやれないと、外出ししてしまう。
「み、水着が……」
「そ、それに操助さんの精液が……も、もったいないです……」
「だろ?どうせ出すんなら中がいいだろ?」
「はう……はい、操助さんの精液……欲しいですっ

「ようやく素直になったね。最初からそう言えば中出ししてあげたのに」
「も、申し訳ありませふあああっ

素直に精液をおねだりしたマユマユを操助はチンポで激しく貫き、たっぷりと中出しした。
「ふああっ


「あーすっきりした。はは、中にだしてもこぼれちゃったね」
「はいぃ……けど、精液注いでもらったらどうでも良くなっちゃいましたぁ

「あはは!マユマユは現金だねー」
その後、マユマユは操助と偶然会ったという体で一緒に海辺まで歩き、そのまま風間ファミリーに合流した。
水着についた精液をできるだけ綺麗にしたが、中出しされた精液がこぼれないように股間を締めているから少し内股気味だ。
その微妙な変化に男性陣はもちろん、操助の姿を見て駆け寄ってきた一子も気付かないが、事情を知っている百代だけは察した。
「やぁ百代。こんなところで会うなんてグーゼンだね」
「ですねー

「一子も相変わらず元気そうだね」
「はいっ

「まぁね」
軽く挨拶を済ませたところで、京がいないことに気付く。
「京はいないの?」
「あぁ、それなら……」
百代がグッと体を近づけて耳打ちする。
「京なら大和と散歩に行きましたよ」
「私達も抜け出して、シませんか

「それもいいけど、今は京を仕上げたいんだ」
京が大和と一緒に集団から離れているのは都合がいいと、百代を放っておいて京たちの後を追うことにした操助。
「あ、そうそう。マユマユのアソコには俺のザーメンがたっぷり入ってるから、かき氷を食べる時は練乳代わりに使っていいよ」
「えっ?」
「それじゃあまたあとでね」
そう言って駆け足で去って行った操助の背中を見ながら、百代と一子は今の言葉の意味を確認し合う。
「ワン子、操助さんが言った意味……わかるか?」
「えっと……つまり、そうしろってことよね?」
「だよな。私もそう思う」
「ってことは、かき氷を買ってこないといけないわね」
「そうだな。私はマユマユを抑えておくから、ワン子はかき氷を買ってきてくれ」
「はーい♪」
そんな会話を川神姉妹がしている頃、京と大和は浜辺の散歩と言う建前でデートを楽しんでいた。
「大和……素敵な浜辺だね

「そうだな。波も穏やかだろうし」
京が操助の愛人になってから、そもそもデートそのものが出来ていなかった二人は、この特別な時間を楽しんでいた。
「ちょっとあそこの堤防行ってみようか。手摺もあるし、安全だろうから」
「ふふ、大和が落ちても私が助けるよ」
「そんなかっこ悪いことにはならないようにするさ」
「そうだね

仲良く散歩しながら、海水浴場から少し外れたところにある堤防に移動する。
誰もいない堤防で、二人っきりの幸せなひと時。
それはすぐに終わってしまった。
「だ、伊達さん……!」
よりにもよって伊達操助が現れたのだ。
「これはこれは……いやぁ~凄い偶然だなー」
偶然なわけがない。そう思う二人だが、言葉を飲みこむ。
「それにしてもちょうど良かったよ」
「……どういう意味ですか」
「わかるでしょ?こんな開放的な場所に誰もいない、となればスッキリしたいじゃない?」
「だ、伊達さん……」
京をかばうように前に立つ大和だったが、こうなることを薄々予感していた京は諦めた表情を見せて操助に近寄った。
「せっかく大和くんっていうギャラリーがいるんだ、俺達のセックスを見せてあげよう」
「……わかりました……操助さん……」
涙ながらに大和の前で抱かれる京。
こういうことは過去にもあったが、直前まで幸せな時間を送っていた二人にはあまりにも辛いことだった。
そしてさらに追い打ちをかける出来事が起きてしまう。
「嫌ああああああ!!」
「み、京っ!?」
「おっ?あれ、ハハ、イッちゃった?」
なんと京がイッてしまったのだ。しかも盛大に漏らしながら。
操助もこれは意外そうだったが、大和は京がなぜ絶叫したのか、その意味を正しく理解できなかった。
イクと同時に全ての愛情が操助に移行してしまうということを大和は知らないので、だたイキながら漏らしたのを見られたくないから絶叫したとしか思わなかったのだ。
「嫌ああ……ああっ……そんな……いやぁ……

目の前にいる大和に何も感じなくなり、完全に愛情が操助に移ってしまったことをを自覚した京は、絶望と歓喜の感情で混乱する。
が、肝心の大和はそんな京の心境の変化を知る由もない。
(本当は1日かけて落とすつもりだったけど、これはこれで面白いか)
「京、俺はまだ射精してないんだよ」
「は、はいぃ……

「そろそろこの体勢も辛くなってきたし、今度はバックでするから」
「わかりました……操助さん

「ああっ♥ひああんっ♥」
「み、京……!」
後ろから見ている大和には、抱かれる京の悦びの表情は見えない。
喘ぎ声も先入観のせいで悲鳴に聞こえているので、自分の為に頑張ってくれている京を直視することはできなかった。
「ふふ、大和くん。これ以上見ているのは辛いだろうから、もう戻っていいよ」
「少ししたら、京は返してあげるから」
「……はい」
大和はその場を離れ、百代たちと合流することも無く人気のないところを歩いた。
こんなに気持ちが沈んだ状態を誰かに見られたら心配されてしまうし、京が解放されたならすぐにでもケアをしてやりたかったからだ。
そんな大和の気持ちとは裏腹に、操助と二人っきりになった京はある宣言をしていた。
「大和への愛情、全部操助さんに移っちゃいましたっ

「私はっ



愛情が移った瞬間こそ戸惑ったが、これまで耐えてきた日々でイクということはそういうことだとしっかり認識していた京は、すぐに諦めて気持を切り替え、あっさりと伊達操助への愛を語った。
それは同時に椎名京にとって、直江大和がただの他人に成り下がったことでもあった。
「もう大和なんてどうでもいいです。戻りたくもない……だから今日は私と一緒にいてくれませんか

「それも悪くないけど、お前には直江大和との関係を続けてもらうよ」
「……えっ?」
言葉の意味が理解できずキョトンとする京に、操助はお前達はモデルケースだと言い放った。
その内容は京が大和との恋愛関係を続けなくてはいけないというもので、愕然とする。
「最終的には直江大和と偽装結婚して直江京になってもらう。子供はしっかり俺の子を孕ませてやるから安心していいよ」
「そして出来た俺と京の子を直江大和に育てさせる、それが最終目的かな」
どんなに愛している人の頼みでも、好きでもない男と偽装結婚して子供を育てろと言われれば拒否するのが普通だろう。
当然京も拒絶の意志を示したが、これまで直江大和相手に育んできた大きすぎる愛情が仇となってしまった。
「俺の頼み……いや命令だけど、聞いてくれるね?」
「うぅ……はい……操助さんのためなら……なんだってします」
かつて頼まれずとも直江大和の愛人を受け入れてすらみせた京が、愛する操助の命令を断るわけがなかったのだ。
「ありがとう、それでこそ俺の京だ」
「とはいえこれから色々と辛いだろうから、風間ファミリーの女性メンバーには打ち明けても良いし、今後のことを相談したりしていいよ。直江大和を欺くにも協力者がいた方が何かと楽だろうしね」
「お気遣い……ありがとうございます」
こうして椎名京は伊達操助の手に落ち、誰よりも大きく誰よりも一途で誰よりも絶対的な愛情を向けるようになった。
その後、大和と合流した京は精一杯これまで通りの演技をしたが、大和はいつもとの違いを感じ取った。
しかしそれは、楽しいデートをあんな形で邪魔されたからなのだと都合よく解釈してしまう。
もしかしたら愛情が奪われたことに薄々気付いていたかもしれない。
だがそうだったとしても、大和はそれを認めたくなかったのだろう。
事実、大和は何も言わずこれまで通りと同じ接し方を京にした。
―――
日が暮れ、夜。
風間ファミリーは宿に入り、女性陣はみんなで露天風呂に入っていた。
「いやー、それにしてもまさか操助さんと出くわすとなー

夜の温泉でガールズトークを楽しむ面々。
百代や一子、それに由紀江が操助の話で盛り上がる中、クリスが京に話を振る。
「伊達操助さんか……これだけの女性に好かれるなんて凄い人なんだな」
「しかし私は正直、みんなが言うほどの魅力を感じないな。大和一筋の京はどう思う?」
「……」
「京?」
操助の話を振られて言葉につまった京がだが、少しして口を開いた。
「クリス、実はね……」
つづく
真剣で私に相談しなさい!シリーズ 時系列順
①黛由紀江編
②小島梅子編
③川神百代編
④小島梅子編その2
⑤川神一子編
⑥椎名京編
⑦川神一子編その2
⑧黛由紀江編その2
⑨黛由紀江編その3
⑩椎名京編その2
⑪黛由紀江編その4
⑫川神一子編その3
⑬小島梅子編その3
⑭椎名京編その3
⑮小笠原千花編
⑯甘粕真与編
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