夢と欲望の幸せ監獄楽園 STAGE.29
コラボ企画 - 2022年11月02日 (水)
小悪魔さんとのコラボ作品となります。

ピカがナオミ様とリエリ様の方は、どうにかすると言っていたうえに、ボーガンは恐らくリエリ様の背後で何かする可能性もあるとお互いに理解した上で戦ってくれていた。そして、それを信頼した上で戦っていた俺は今……。
「おわっ!」
「っ、いい加減に切られなさい!!」
マヤ様の鋭い攻撃を交わしながら、先の先までを考えて回避していた。
少しでも足を止めると、アリシア様が狙うかのように攻撃するし、現在の体はまだ癒えてない状態で挑んでるから……正直かなり不利……。
「はぁはぁ……」
刀を杖がわりにしながら、ゆっくりと二人を見つめていた。
二人は、あの優しい顔はなく、寧ろ敵を壊滅すると言わんばかりの目付きだった。
「私達二人相手によくぞ耐えたものだ。だが、いつまでもそれに耐えきれないだろ?」
「全く貴様のせいで我々の楽しい気持ちも全部なくなった。この償いはどうしてくれる?」
「そうですね。私達はご主人様に抱かれて本当に気持ちよかったのに……」
「……」
二人の言葉に何とも言えない気持ちの俺だが、その表情は偽りのない嬉しそうな顔だった。
ここまで……嫌悪感を感じたのはいつぶりだ?
「俺も人のことを言えないことをしていたが、少なくとも覚悟や責任をとってこれまでやって来た。だからこそ、やつがきちんと責任とると思えないですがね」
「ふ、屑な貴様にわかるまい。あのお方がどれだけ……偉大なのかをのな!!」
アリシア様が、俺の方に接近して右手に持つ刀を振った。そろそろ切り込んでくると思った俺は、冷静に対応しようとしたが……。
「はぁ!」
「(やべっ!?左肩の怪我と背中の傷がうずいて、反応が遅れた!)うおっ!?」
「ほう?これも防ぐか……だが、また私ばかりに意識向けすぎだな」
「え…ぐぅ!」
アリシア様の言葉と同時に俺の顔に、マヤ様の右足の蹴りが見事に入り込んで地面に倒れこんだ。
「あらごめんあそばせ?そこにいたあなたが悪いのですから」
「っぅ……中々いい蹴りで、軽く脳震盪を起こしましたよ……」
「本当にしぶといですね。なぜ、そんなに抗うのですか?」
マヤ様の蹴りにうつ伏せで倒れて呟くと、向こうは不機嫌になりながら問いかけてきた。なぜなんてそんなの決まっている……。
「恩人達が……あんな責任感のない奴に良いように操られているのが気にくわないだけですよ」
「意味がわかりませんね。姫姉様、どうします?」
「あれだけやっても懲りてないのは明白……一度本当に死なないとわからないみたいだな」
「そうですね。頭が可笑しい男をこれ以上生かしても無意味です。こいつをさっさと殺して、ピカにはもう一度私達の従者として戻ってもらいましょう」
マヤ様は俺を軽蔑な目で見て、アリシア様にはピカをこちらの方に引き戻そうと提言していた。
やはり、俺に関することは抹消されているのかもしれない……。
「本当に相変わらず……容赦ない姫様達だ……」
「相変わらず?あなたは本当に何者なのですか?何故、私達を知っているのですか?」
マヤ様の言葉に答えても、今のマヤ様達は何も響かないだろう……だけど、この身が今どうなっても……助けることだけは決めている。
「……強くなった……つもりだった……のだけどな」
ゆっくりと呟きながら、俺が過去に捨てたはずの……弱かったときのあの頃の悔しい思いの自分を思い出した。
今もそれなりに力はつけても……まだまだ弱すぎるのがよくわかった……。
「命に代えてでも助かる……!」
「何をいっている……?マヤ!こいつをさっさと殺すぞ!!」
「えぇ、姫姉様!こんな頭の可笑しい男の会話を聞いても時間の無駄ですからね」
刀を構えながら、俺の方に歩み寄ってきた。もうここからは、あの世界のクロとして戦い方に変えるしかないかもな……。
「(隠し持っているあれらを使うのが一番いい。だがそれをするのは……)タイミングが重要だな」
「何をボソボソ言っている!!」
アリシア様が少し怒りぎみに怒鳴っていた。まぁ、あの人の性格上はっきり言うのが好きなのは知っている……。
「この勝負は負けたくないと言うことです……よ!」
気合いを入れて立ち上がり、この軍服はもう邪魔なので破くように脱ぎ、黒のタンクトップ姿になった。
『貴方の名前はクロなのでしょ?じゃあ、名前の通りにこの黒を着て、その上でなにかを着て私の執事にやりなさい』
マヤ様が、わざわざ時間をかけて買ってくれた服を着ながら戦っていた。
因みにこれはある程度の火傷も耐えれるとアリシア様からも教えてくれた。
「貴様……かなりの手負いでよくもまぁ、そこまで動けたな?」
「確かにそうですね。一日経っているか経っていないのに……あれだけの手負いで一日で治るはずはありませんね」
「そんな状態で戦いに挑むなんて死にたいのですかね?」
「だから……どうした。俺はまだ動けますし、貴方達を助けるまでは……倒れない!」
決心すると共に刀を二人の方に向けていた。正直体が痛むし、物凄いきついけど……。
「っら!」
「「!」」
神経張りつめて、接近しながら切りかかると二人とも後ろに下がっていた。今のは軽い牽制も込めての攻撃だ。
「貴方……何者?」
「別の世界では裏で生きていて、この世界ではアリシア様とマヤ様の仕える者……クロ・ミューゼル……推して参る!!」
マヤ様は嫌悪感を込めて俺に問いかけていたが、その質問にはっきりと誇りを持つように叫んだ。
この小説は
シナリオ:小悪魔さん
編集、タイトルイラスト:REGZA
でお送りいたしました。
次回更新は本日のお昼12時!是非また見に来てください!!

ピカがナオミ様とリエリ様の方は、どうにかすると言っていたうえに、ボーガンは恐らくリエリ様の背後で何かする可能性もあるとお互いに理解した上で戦ってくれていた。そして、それを信頼した上で戦っていた俺は今……。
「おわっ!」
「っ、いい加減に切られなさい!!」
マヤ様の鋭い攻撃を交わしながら、先の先までを考えて回避していた。
少しでも足を止めると、アリシア様が狙うかのように攻撃するし、現在の体はまだ癒えてない状態で挑んでるから……正直かなり不利……。
「はぁはぁ……」
刀を杖がわりにしながら、ゆっくりと二人を見つめていた。
二人は、あの優しい顔はなく、寧ろ敵を壊滅すると言わんばかりの目付きだった。
「私達二人相手によくぞ耐えたものだ。だが、いつまでもそれに耐えきれないだろ?」
「全く貴様のせいで我々の楽しい気持ちも全部なくなった。この償いはどうしてくれる?」
「そうですね。私達はご主人様に抱かれて本当に気持ちよかったのに……」
「……」
二人の言葉に何とも言えない気持ちの俺だが、その表情は偽りのない嬉しそうな顔だった。
ここまで……嫌悪感を感じたのはいつぶりだ?
「俺も人のことを言えないことをしていたが、少なくとも覚悟や責任をとってこれまでやって来た。だからこそ、やつがきちんと責任とると思えないですがね」
「ふ、屑な貴様にわかるまい。あのお方がどれだけ……偉大なのかをのな!!」
アリシア様が、俺の方に接近して右手に持つ刀を振った。そろそろ切り込んでくると思った俺は、冷静に対応しようとしたが……。
「はぁ!」
「(やべっ!?左肩の怪我と背中の傷がうずいて、反応が遅れた!)うおっ!?」
「ほう?これも防ぐか……だが、また私ばかりに意識向けすぎだな」
「え…ぐぅ!」
アリシア様の言葉と同時に俺の顔に、マヤ様の右足の蹴りが見事に入り込んで地面に倒れこんだ。
「あらごめんあそばせ?そこにいたあなたが悪いのですから」
「っぅ……中々いい蹴りで、軽く脳震盪を起こしましたよ……」
「本当にしぶといですね。なぜ、そんなに抗うのですか?」
マヤ様の蹴りにうつ伏せで倒れて呟くと、向こうは不機嫌になりながら問いかけてきた。なぜなんてそんなの決まっている……。
「恩人達が……あんな責任感のない奴に良いように操られているのが気にくわないだけですよ」
「意味がわかりませんね。姫姉様、どうします?」
「あれだけやっても懲りてないのは明白……一度本当に死なないとわからないみたいだな」
「そうですね。頭が可笑しい男をこれ以上生かしても無意味です。こいつをさっさと殺して、ピカにはもう一度私達の従者として戻ってもらいましょう」
マヤ様は俺を軽蔑な目で見て、アリシア様にはピカをこちらの方に引き戻そうと提言していた。
やはり、俺に関することは抹消されているのかもしれない……。
「本当に相変わらず……容赦ない姫様達だ……」
「相変わらず?あなたは本当に何者なのですか?何故、私達を知っているのですか?」
マヤ様の言葉に答えても、今のマヤ様達は何も響かないだろう……だけど、この身が今どうなっても……助けることだけは決めている。
「……強くなった……つもりだった……のだけどな」
ゆっくりと呟きながら、俺が過去に捨てたはずの……弱かったときのあの頃の悔しい思いの自分を思い出した。
今もそれなりに力はつけても……まだまだ弱すぎるのがよくわかった……。
「命に代えてでも助かる……!」
「何をいっている……?マヤ!こいつをさっさと殺すぞ!!」
「えぇ、姫姉様!こんな頭の可笑しい男の会話を聞いても時間の無駄ですからね」
刀を構えながら、俺の方に歩み寄ってきた。もうここからは、あの世界のクロとして戦い方に変えるしかないかもな……。
「(隠し持っているあれらを使うのが一番いい。だがそれをするのは……)タイミングが重要だな」
「何をボソボソ言っている!!」
アリシア様が少し怒りぎみに怒鳴っていた。まぁ、あの人の性格上はっきり言うのが好きなのは知っている……。
「この勝負は負けたくないと言うことです……よ!」
気合いを入れて立ち上がり、この軍服はもう邪魔なので破くように脱ぎ、黒のタンクトップ姿になった。
『貴方の名前はクロなのでしょ?じゃあ、名前の通りにこの黒を着て、その上でなにかを着て私の執事にやりなさい』
マヤ様が、わざわざ時間をかけて買ってくれた服を着ながら戦っていた。
因みにこれはある程度の火傷も耐えれるとアリシア様からも教えてくれた。
「貴様……かなりの手負いでよくもまぁ、そこまで動けたな?」
「確かにそうですね。一日経っているか経っていないのに……あれだけの手負いで一日で治るはずはありませんね」
「そんな状態で戦いに挑むなんて死にたいのですかね?」
「だから……どうした。俺はまだ動けますし、貴方達を助けるまでは……倒れない!」
決心すると共に刀を二人の方に向けていた。正直体が痛むし、物凄いきついけど……。
「っら!」
「「!」」
神経張りつめて、接近しながら切りかかると二人とも後ろに下がっていた。今のは軽い牽制も込めての攻撃だ。
「貴方……何者?」
「別の世界では裏で生きていて、この世界ではアリシア様とマヤ様の仕える者……クロ・ミューゼル……推して参る!!」
マヤ様は嫌悪感を込めて俺に問いかけていたが、その質問にはっきりと誇りを持つように叫んだ。
この小説は
シナリオ:小悪魔さん
編集、タイトルイラスト:REGZA
でお送りいたしました。
次回更新は本日のお昼12時!是非また見に来てください!!
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