夢と欲望の幸せ監獄楽園 STAGE.19
コラボ企画 - 2022年10月16日 (日)
小悪魔さんとのコラボ作品となります。

ナオミさんを保護して目を覚ましたと聞いてから、医務室へと向かった。
ピカと俺は一応右手で左腰にある鞘に刀納めているので、万が一戦闘になってもいいように。
「お前達はたしか、アリシア様とマヤ様の……なるほど、私はお前達に助けられたと言うことか」
「えぇ。ナオミ様は――」
「様付けは要らない。私はお前達の主でないからな」
「……失礼いたしました。ナオミさんは、なぜあの場に?」
「……」
ナオミさんは、警戒するように俺たちを見ていた。
当然だが、俺達に話したことでメリットはないと考えている上に、何ができるんだ?と考えているだろう。
「俺に交渉を任せてほしい」
「わかった」
ピカには交渉権を譲ってもらい、ナオミさんの方に話しかけた。
俺は向こうの世界では悪い人間だからこういう取引もある。
「選択を与えますから、どれかをお願いします。1つは、ナオミさんが知り得る情報を話してくれれば、こちらの今起きていることを話します」
「2つ目は……話さないで牢屋に行くこと。ただし、いずれもきちんと治療を受けてもらえるように、仲間に頼みます」
「なぜ、そんな交渉をする?そちらにメリットはないではないか?」
「メリットならある。貴方が今ここにいることで知り得る情報があるかもしれないからだ」
「……ふん、小さいくせにそこら辺の軟弱な男達よりはましだな。そして後ろに控えている男もだ」
「降参だ、私が知り得る限りの話をしておこう」
ナオミさんが苦笑しながらも手をあげて情報を話すと教えてくれた。まずは、リエリ様のナオミさんの関係を……。
「情報を話す前に、少し昔話をさせてほしい」
「私はリエリ様とは古い付き合いでな、私の生まれはビショップ家に出入りしていた商家の長女であった。その縁でリエリ様とも知り合えた」
「軍人ではなかったのですか?」
「なにも珍しい話ではないと思うが、小さなお前達が働いてるのも思えばたいして変わらないだろう?」
「まぁ、そんな私は幼い頃からリエリ様と行動を共にしていたから、リエリ様の後を追う様に軍人の道を歩んだ」
「すごいですね……」
純粋に行動力もすごいし、何よりも軍人になると言うのは簡単な事ではない。
アリシア様とマヤ様もしかり、この世界の女性は強いよなぁ……。
「軍人になった私は、宇宙連邦軍の少佐。軍憲兵捜査部の捜査官で、リエリ・ビショップ様の副官となった」
「リエリ様と共に過ごす時間は本当に幸せな時間だったのに……それを奪った輩がいる」
ナオミさんの顔は先までの嬉しい顔から激しい憎悪が溢れていた。どうやら、それを奪った輩がいるのか。
「名前は?」
「ドニ・ボーガン……こいつが私の人生を狂わせた奴だ……!」
「そいつはどんな奴だ?」
「一言で言えば屑だ」
「奴は、宇宙連邦軍の少佐であり、要人輸送用の戦艦ジャサント号の艦長だった」
「しかし裏の顔は、ネオ・テラーズに属する特殊工作員で、暗殺や破壊活動といった任務を遂行する非合法エージェント……」
「私たちはそいつを捕まえるために潜入してたのだが、捕まった。リエリ様は奴にいいように操られていて、私は助けようとしたが……」
撃たれてあんなところに捨てられていたと言うわけで、これでいろいろと合点したな。
リエリ様のあの違和感は、操られているのか。
「ん、なぜナオミさんは操られていないのだ??」
「私も操られたのは認めるが、洗脳は解けた。だが、リエリ様を助けようとした時に、私は奴に嵌められたのだからな」
「ふむ……そいつがいる可能性の場所はわかりますか?」
「可能性としては戦艦だな」
ふむ、そうなるとホントにアリシア様達が危険かもしれないな。そうとわかれば、急いで助けにいかないといけないな。
「俺は戦艦に行く。マヤ様達が囚われている可能性があるからな」
置いてる鞘を取ろうとすると、ナオミさんは目を見開いた。おや、どうやら本気で知らなかったのか?
「何?それはどういうことだ!?!」
「あの日の会談の後に、アリシア様とマヤ様は行方不明になった」
「恐らく今の話を聞いていたら、そいつに狙われている可能性が高い」
「ふむ、それなら……私もついていこう。奴らの戦艦の内部に詳しい奴はいた方がいいだろ?」
ナオミさんの言う通りに潜入するならそれを知っている人間がいるのもいいだろう。さて、それはどういう選択で答えるべきか……。
「僕達だけでは知らないのもあるので、お願いします」
「ふん、任せておけ。だが、見ての通り、満足な戦闘はできないぞ?」
「怪我人を使ってまで、戦うことはしないですよ。それよりも向こうをどうやって潰すか……」
「お前達の力は頼りにしているが、奴の性格は一言で表すなら屑といったが、もうひとつの側面がある。姑息な方法で罠に嵌めるのが奴のやり方だ」
なるほど、それを聞いておけば用心しとく必要はあるな。
不意打ちで平気を動かして民間人に襲撃する可能性もあるし、そこもかねて全部作戦を俺達はたてることにした……。
だが、俺達はまだこのときに想像もしてなかった……奴が予想以上の屑だということに……。
この小説は
シナリオ:小悪魔さん
編集、タイトルイラスト:REGZA
でお送りいたしました。
初日の今日は一挙24話掲載!
次回更新は本日PM7:00!是非また見に来てください!!

ナオミさんを保護して目を覚ましたと聞いてから、医務室へと向かった。
ピカと俺は一応右手で左腰にある鞘に刀納めているので、万が一戦闘になってもいいように。
「お前達はたしか、アリシア様とマヤ様の……なるほど、私はお前達に助けられたと言うことか」
「えぇ。ナオミ様は――」
「様付けは要らない。私はお前達の主でないからな」
「……失礼いたしました。ナオミさんは、なぜあの場に?」
「……」
ナオミさんは、警戒するように俺たちを見ていた。
当然だが、俺達に話したことでメリットはないと考えている上に、何ができるんだ?と考えているだろう。
「俺に交渉を任せてほしい」
「わかった」
ピカには交渉権を譲ってもらい、ナオミさんの方に話しかけた。
俺は向こうの世界では悪い人間だからこういう取引もある。
「選択を与えますから、どれかをお願いします。1つは、ナオミさんが知り得る情報を話してくれれば、こちらの今起きていることを話します」
「2つ目は……話さないで牢屋に行くこと。ただし、いずれもきちんと治療を受けてもらえるように、仲間に頼みます」
「なぜ、そんな交渉をする?そちらにメリットはないではないか?」
「メリットならある。貴方が今ここにいることで知り得る情報があるかもしれないからだ」
「……ふん、小さいくせにそこら辺の軟弱な男達よりはましだな。そして後ろに控えている男もだ」
「降参だ、私が知り得る限りの話をしておこう」
ナオミさんが苦笑しながらも手をあげて情報を話すと教えてくれた。まずは、リエリ様のナオミさんの関係を……。
「情報を話す前に、少し昔話をさせてほしい」
「私はリエリ様とは古い付き合いでな、私の生まれはビショップ家に出入りしていた商家の長女であった。その縁でリエリ様とも知り合えた」
「軍人ではなかったのですか?」
「なにも珍しい話ではないと思うが、小さなお前達が働いてるのも思えばたいして変わらないだろう?」
「まぁ、そんな私は幼い頃からリエリ様と行動を共にしていたから、リエリ様の後を追う様に軍人の道を歩んだ」
「すごいですね……」
純粋に行動力もすごいし、何よりも軍人になると言うのは簡単な事ではない。
アリシア様とマヤ様もしかり、この世界の女性は強いよなぁ……。
「軍人になった私は、宇宙連邦軍の少佐。軍憲兵捜査部の捜査官で、リエリ・ビショップ様の副官となった」
「リエリ様と共に過ごす時間は本当に幸せな時間だったのに……それを奪った輩がいる」
ナオミさんの顔は先までの嬉しい顔から激しい憎悪が溢れていた。どうやら、それを奪った輩がいるのか。
「名前は?」
「ドニ・ボーガン……こいつが私の人生を狂わせた奴だ……!」
「そいつはどんな奴だ?」
「一言で言えば屑だ」
「奴は、宇宙連邦軍の少佐であり、要人輸送用の戦艦ジャサント号の艦長だった」
「しかし裏の顔は、ネオ・テラーズに属する特殊工作員で、暗殺や破壊活動といった任務を遂行する非合法エージェント……」
「私たちはそいつを捕まえるために潜入してたのだが、捕まった。リエリ様は奴にいいように操られていて、私は助けようとしたが……」
撃たれてあんなところに捨てられていたと言うわけで、これでいろいろと合点したな。
リエリ様のあの違和感は、操られているのか。
「ん、なぜナオミさんは操られていないのだ??」
「私も操られたのは認めるが、洗脳は解けた。だが、リエリ様を助けようとした時に、私は奴に嵌められたのだからな」
「ふむ……そいつがいる可能性の場所はわかりますか?」
「可能性としては戦艦だな」
ふむ、そうなるとホントにアリシア様達が危険かもしれないな。そうとわかれば、急いで助けにいかないといけないな。
「俺は戦艦に行く。マヤ様達が囚われている可能性があるからな」
置いてる鞘を取ろうとすると、ナオミさんは目を見開いた。おや、どうやら本気で知らなかったのか?
「何?それはどういうことだ!?!」
「あの日の会談の後に、アリシア様とマヤ様は行方不明になった」
「恐らく今の話を聞いていたら、そいつに狙われている可能性が高い」
「ふむ、それなら……私もついていこう。奴らの戦艦の内部に詳しい奴はいた方がいいだろ?」
ナオミさんの言う通りに潜入するならそれを知っている人間がいるのもいいだろう。さて、それはどういう選択で答えるべきか……。
「僕達だけでは知らないのもあるので、お願いします」
「ふん、任せておけ。だが、見ての通り、満足な戦闘はできないぞ?」
「怪我人を使ってまで、戦うことはしないですよ。それよりも向こうをどうやって潰すか……」
「お前達の力は頼りにしているが、奴の性格は一言で表すなら屑といったが、もうひとつの側面がある。姑息な方法で罠に嵌めるのが奴のやり方だ」
なるほど、それを聞いておけば用心しとく必要はあるな。
不意打ちで平気を動かして民間人に襲撃する可能性もあるし、そこもかねて全部作戦を俺達はたてることにした……。
だが、俺達はまだこのときに想像もしてなかった……奴が予想以上の屑だということに……。
この小説は
シナリオ:小悪魔さん
編集、タイトルイラスト:REGZA
でお送りいたしました。
初日の今日は一挙24話掲載!
次回更新は本日PM7:00!是非また見に来てください!!
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