さびれた古本屋 伊井野ミコ編 / 1
かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜 - 2022年07月29日 (金)

伊井野ミコはある日、さびれた古本屋を見つける。
商店街の一角にある、小さな看板に相応の小さな本屋。
「家族屋書店……個人経営かな」
最近では減りつつある、いかにもな古本屋屋から不思議な魅力を感じたミコは、軽い気持ちで店を覗いてみることにした。

入ってみると、他に客はいない。
10坪くらいのスペースに所狭しと本が並び、奥のカウンターには店主と思わしき男が座っているのが見える。
すぐに出るのもなんなので少しだけ本を見てみると、ある背表紙が目に留まる。
「……割と最近の本もあるのね」
二か月前に出たばかりの本が置いてあり、状態も良く値段は元値の7割。
裕福なミコが古本を買う必要はないのだが、こういう店で買うと言うこと自体は嫌いじゃないので、買ってみることにする。

「すいません、これを下さい」
「はい。えーと、これの値段は……900円ですね」
千円札を渡して支払いをするミコ。
ふと、店主と目が合ったその時だった。
「二人目に決まりかな……」
店主が何かをボソッとつぶやいたと思うと、ミコの意識が一瞬くらっとなる。

「うっ……」
ほんの一瞬だが、頭に靄がかかったようになり、立ち眩みのような感覚に襲われる。

「どうしました?大丈夫ですか」
「え、えぇ……なんでもありません」
「少し立ち眩みしただけです」
「それなら良いのですが」
店主はお釣りを渡すのと一緒に、スタンプカードを差し出した。
「初めてのお客様ですよね?これはこの店のスタンプカードです」
「5つ貯まると良いことがあるので、是非」
「そうですね」
ミコはやけにすぐ貯まるスタンプだなと思いつつ、カードを受け取って財布にしまう。
思っていたよりも良い品揃えなので、またそのうち来てもいいもしれないとミコは思っていた。

数日後、ミコは家族屋書店で買った本を読破していた。
「とても面白かったわ」
「ちょっと官能的なシーンも入っていたけど、それはそれで……」
続編が出たらすぐに買いたい。
そう思うくらいの内容に満足したミコは、読み終えた本をパタンと閉じる。

するとその時、ミコの目がフッと虚ろになる。
「また……別の本が欲しいな……」
「家族屋書店……行かなくちゃ……」
そう小さくつぶやくいたあとでミコの瞳に光が戻る。
その時、ミコの中では家族屋書店に行くことは決定事項になっていた。

翌日、ミコはコンビニに立ち寄っていた。
わざと家の近くではないコンビニを選んだのは、あるものを買うから。
それを買っているところを見られるのは避けたかったのだ。
物の良し悪しはわからないが、とりあえず一番高いのを買ったミコは家族屋書店へ向かう。

コンビニからさほど離れていないので、店には数分で着いた。
家族屋書店という古本屋で、まだ一度しか来たことのない店だが、ミコは絶対にまた来ようと思っていた店でもある。

入ってみると、他に客はいない。
(こないだも他のお客さんいなかったし、お店が成り立つのかな?)
通販とかで売り上げを立てているのかと考えつつ、ミコは真っ先にカウンターにいる店主の元へ行き、あることをした。

カウンター前にきたミコは、あるものを握る締めていた。
それはここへ来る前にコンビニで買った、コンドームだった。
「抱いて、ください……」
「そうですか。こないだ購入いただいた本は面白かったようですね」
ミコはこの店で購入した本を読み終えると、その満足度合いによって様々なエロ行為をするようにされている。
今回はコンドームありでのセックスをするわけだが、それは満足度では10段階中で上から3番目と、かなり高い評価の時にするエロ行為だ。
―――

「あっ、ああっ……!」
カウンター奥の部屋で、ミコとセックスをする。
挿入してすぐに処女だということはわかったが、亜美ほどにはキツさは感じず、ほどよい締まりで気持ち良い。
(フフ、オナニー経験が豊富なのかな?)
「んっ、あっ」
(ふむ。奥行きはそんなにだな)
簡単に子宮口をノックできる奥行きの狭さだが、それでもチンポの8割くらいは押し込める。
「なかなか気持ちいいよ」
「若い子の処女だけあって、凄く良い」
「んあっ!そ、そうですかっ」
なぜ恋人でもない相手とセックスするのか。
それは購入した本が面白いとその度合いに応じたエロ行為をするように催眠暗示をかけられているからだ。
それは前回店に来た時に立ち眩みになった時だ。
あれは立ち眩みなどではなく、店主がミコの目を見て洗脳したことで起きた現象だったのだ。
そうとは知らず、ミコは洗脳されたままに行動しているのだ。
今、ミコはコンドームを着けてのセックスをしている。
それは面白さレベルでは8であることを意味している。
処女だろうと例外なく、面白さの度合いに応じたエロ行為をすることが最優先なのだ。
そしてそれに躊躇いや疑問を覚えることはない。
「あぁそろそろヤバそう……う、く……イクッ……!」
「~~ッッ!」
―――
――
-

「次の本は何にしようかしら」
数十分後、店の中には平静を装って本を選ぶミコがいた。
とても初体験を終えたあとには見えないが、体に熱気は残っていて、顔も赤らんでいる。
この書店に来る客の一部は、本の評価に応じたエロ行為を終えると、次に買う本を探す。
来店したら必ず本を買う。そして買った本を読んだらその評価をしに来店する。来店すれば必ず本を買う。
その繰り返しになるように洗脳されているからだ。
「あ!これにしよう」
ミコは買うかどうか迷っていた本を見つけ、それを手に取る。
1000円の小説だが、古本なので400円と安い。
購入するとスタンプカードには2個目のスタンプが押され、帰宅する。
用事が無ければ真っ直ぐ帰宅し、暇なときは本を読み、出来るだけ早く読破する。
なるべくすぐに再来店させるための洗脳が施されているのだ。
さびれた古本屋 伊井野ミコ編 / 1

「……ッ」
帰路についたミコは、股をモジモジしながらゆっくりと歩いた。
初体験の後遺症というか、痛みが引いた後で股が少しチンポで広がった感覚がわかるようになり、いつもとは違う股の感覚に戸惑っていた。

「……イマイチだったわね」
「深みがないというか、ストーリーが浅い」
2冊目の本を読み終えたミコだが、あまり良い感想は抱かなかったようだ。
期待値が高かったせいもあってか、肩透かしに終わってしまったようだ。

読み終えた本を閉じた時、ミコの目がフッと虚ろになる。
「次の本も……欲しいな……」
「家族屋書店……行かなくちゃ……」
ミコはそう小さくつぶやく。
そしてまた家族屋書店へと足を運ぶのだった。
つづく
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