[アンケート企画㊿]薙切えりなの悲劇。催眠導入料理は神の舌をも狂わせる。
食戟のソーマ - 2019年09月05日 (木)
「匂いだけで食べる価値なしとわかるわ!」
「そんなこと言わないでさ」
遠月の1年生、甘崎タカシは無謀にも薙切えりなに試食をせがんだが、匂いを嗅がれただけで食べるのを拒否されるという憂き目に合っていた。
「とっと失せなさい!」
跳ね除けるように切って捨てるえりなに対し、タカシは凶行に出る。
なんと料理を手で掴み、えりなの口に無理やり押し込んだのだ。
「いいから食べろ……よ!」
「ちょっ、何すんのよ!ふぐっ!」
元々食べてもらえないことも想定していたタカシは、手で持ちやすいような形状に料理を作っていたのだ。
「おら、飲みこめ!」
「いやっあぐ……ごくんっ!」
「飲んだな!」
臭いから察していた通り口の中に広がったのは美味とは到底言えない味。
そんな料理を飲みこんでしまったえりなだが、その途端急に意識がふらっとなり、気絶に近い状態になってしまう。
「あ……」
彼女は料理が不味くて気絶したのではない。
今の状態は気絶に見えて全く違うものであり、心を解き放ったいわば催眠状態なのだ。
「アハハ、神の舌にも効果があったか」
「そりゃあそうだよな、人より味覚が優れてるんだ。味音痴よりよっぽど効果が出て当然なんだよな」
催眠状態に陥ったえりなを前に、タカシは余裕を見せる。
こうしてしまえばどんな人間でも無害。あとはやりたい放題だからだ。
「そりゃ不味いに決まってんだろ」
「南米の秘境に伝わる催眠導入料理なんだからな」
甘崎タカシ。
彼の専門料理は表向き薬膳系とされているが、その裏では薬物を使った麻薬依存料理を研究していた。
そんな時に出会ったのが、秘境で見つけた精神安定剤になる薬草だった。
現地の民族の巫女が行う『魔術』の類の中に、逆行催眠を行うための催眠導入剤として使われているのがその薬草だったのだ。
本来は精神を安定させ、巫女が催眠導入を施すのだが、その技術は手に入らなかった。
そこでタカシは薬草の性質に目をつけ、より精神安定剤としての性能を高める料理を創作し、ついに催眠導入料理として完成させたというわけだ。
「よし、それじゃあ薙切……頭の中弄らせてもらうぜ」
タカシは耳元で囁き、えりなに暗示をかける。
もちろんこれが初めてではなく、事前に何人か催眠導入し、練習してから本命のターゲットである薙切えりなにしかけたのだ。
『薙切えりなは味音痴……言われたら……またこうなる……どんなときでも……』
いつでも再び催眠状態に出来るよう、まずはキーワードを設定する。
最初にこうしてしまえば、途中で暗示を中断することになったとしてもいつでも再暗示可能になる。
「お前は甘崎タカシに何か頼まれると、頭の中から断るという選択肢が消える」
「なにか……頼まれ……断る……選択肢……消える……」
「そう。だから俺の頼みは必ず受ける。わかったな?」
「頼みは必ず……受ける……わかりました……」
えりなへの要求を通せるようにし、実質的ないいなりへと作り変えていく。
それだけにとどまらず、他にも常軌を逸した暗示を植え付ける。
タカシが口答えした時は自分の胸に顔を押し付けるのが良い、それでも聞かないときはアソコを直接舐めさせる……等だ。
そこまで済んだら、いよいよ目を覚まさせる。
直前の記憶は普通に提供された料理を食べたが不味かったと書き換え、強引に口に押し込んだという事実は消す。
そうしないと、目が覚めたえりなと揉めてしまうからだ。
―――
―――
―――
「で、料理の感想は?」
「え?……あ、あぁ料理…料理ね。ま、不味かったわよ!」
目を覚ましたえりなは意識の空白に戸惑うが、間髪入れずタカシが質問したことでうやむやになった。
これも催眠術を使う上でのテクニックだ。
「でも完食したじゃねーか」
「え?あ、そうね……ほんとだ……」
「てことは俺の料理が美味しかったってことだろ?」
「完食しても不味いものは不味いわよ!」
「けどよ……」
「もう、うるさいわね!」
「ふぐっ!?」
食い下がるタカシにカッとなったえりなは、彼の頭を掴んで胸にぼよんっと顔を沈めた。
「うわ~……おっぱい柔らかっ!」
柔軟性と弾力、相反する二つの要素を備えた胸の感触にタカシは素で悦んだ。
「どう?これで口答えする気もなくなったでしょう」
「ん?いや~それは別の話だよ」
「な!?」
「だって完食してるんだしさぁ」
(この人……これだけされてまだ言うの!?)
(こうなったら仕方ないわ……)
動揺交じりの怒りが再燃し、えりなは最終手段に出る。
「あなた、私のアソコを舐めなさい!!」
「クンニしろってこと?」
「ク……!?そ、そうよ!私のアソコを舐めれば、いくらあなたでもさすがに自分が間違っているってわかるでしょ!」
「じゃ、お言葉に甘えて♪」
「下脱がすよ」
「さ、さっさとしなさい」
「へいへい」
えりなのズボンを降ろし、露わになった高級そうなパンツに手をかけ、ゆっくりと降ろす。
まだ誰も見たことのないであろうアソコが白昼に晒されると、タカシも思わず生唾を飲みこむ。
透き通るような綺麗な肌と整った陰毛は芸術作品の様で、気圧されるような神々しさすらあった。
「じゃ、舐めるよ」
「早くしなさい」
「ぺろぺろ、じゅるるっ」
「んっ……」
しゃぶりつくようにアソコを舐められ、えりなも少し反応する。
だが、あくまでこれは説教や叱咤的な意味あいでしている物なので、性的快感を得ているわけではなく、敏感なところを触られて起こる反射のような反応だ。
「じゅるる、うっま!えりなのマン汁、美味すぎる……!」
「育ちが良い女のマン汁って、こんななのか」
「口開く暇があったらもっと舐めなさい」
「へーい。れろれろっ、じゅるる!」
「いやしかしこれマジで美味いわ。そうだ、このマン汁を料理に使って誰かに食わせてみてよ、秘書の女あたりにでもさ」
「……わかったわ。それよりちゃんと舐めなさい」
頼まれた形だった為、えりなは断らない。
クンニされている間、頭の中で自分の愛液を使った料理をいくつもシュミレーションするが、そもそも愛液の味がわからない。
(あとで味見してみないとどうしようもないわね)
夜にでも自慰をして、愛液を一舐めしてみようと思ったところで、タカシのクンニが終わった。
「ちゃんと反省したんでしょうね?」
「うん。悪かったよ」
「……そう、ならいいの」
クンニで反省させることができ、ホッと胸を撫で下ろす。
これ以上はどうすればいいかわからなかったので、反省しなかったらどうしようと内心少し不安だったのだ。
「ところで、今晩暇?」
「暇じゃないわよ」
「そっか。暇じゃないとこ悪いんだけど、俺の為に夕飯作ってもてなしてくれない?」
「え?……まぁいいわよ」
「新作料理を考えていたことだし」
「サンキュー」
夜、料理を作ることを約束したえりなだが、実際に用事はあった。
だがそれを彼女はキャンセルしてまで甘崎タカシへの持て直しをしたのだ。
それまで面識すらなかった男を、それも薙切えりなという人物がもてなすのは異常なことだったが、えりな本人にとっては普通に頼みをきいてあげたに過ぎない認識だ。
「味はどうかしら?」
「めちゃめちゃ美味しい!こんな美味い料理初めてだ……!」
「さすがは神の舌……俺じゃ絶対この料理は作れない」
同じことを過去に何度も言われているえりなにとっては当たり前のことだが、絶対に辿り着けない領域の美味にタカシも同じ料理人として思わず唸る。
「おっと、あんまり美味すぎるから今日の本題を忘れるところだった」
「本題?」
「そうだよ。薙切えりなは味音痴ってね」
「う……」
突然のキーワードにもしっかりと反応し、えりなは催眠状態に陥る。
この状態の彼女に対してタカシがすることは、性欲を満たすことだけだ。
「私は……甘崎タカシに提供する料理……支払い……求める……」
「お金の代わりに……セックスして……精液……」
「それ以外ない……疑問も抱かない……」
えりなは追加で暗示をかけられてしまい、その内容は直接的な性行為を彼女にさせるものだった。
いよいよ彼女の体が毒牙にかけられようとしているが、ここに助けは入らない。
もはや、催眠状態から覚醒しないことだけが彼女が助かる唯一の方法だが、それは不可能だった。
「ん……?」
タカシによって意識を取り戻したえりなは、暗示の通りに行動してしまう。
それがおかしいことだとは一切の疑問を抱かずにだ。
「さ、それじゃあ私とセックスしてもらうわよ」
「なんでセックスするの?」
「なんでって、代金を払ってもらうからに決まってるでしょう」
「精液をアソコの中に出してもらう以外に、代金を支払う方法なんてないじゃない」
「あー、そうだったね」
「まさか払わないなんて言わないよね?」
「いやいや払うよ。そりゃもう喜んで」
「おかしな人ね」
ニヤニヤしているタカシの表情に怪訝そうな顔をするものの、すること自体には何も思っていない。
えりなはタカシに服を脱ぐように言い、自分も身に纏っている物全てを脱ぎ捨てた。
「……ッ」
(そ、そういえば私初めて……!)
服を脱いで、自分が処女だと気付くえりな。
セックスをすること自体は疑問に思っていないが、初めてセックスをするということに対する動揺と恥ずかしさは消えていない。
「で、俺はどうすればいいの?」
「え?あ、あぁそうね……えっと……」
経験が無いのでどうしていいかわからないえりなは、苦し紛れでタカシに好きにさせるという選択をした。
股は開くから、そこから先の挿入と中出しをどうやってするかは委ねたということだ。
「じゃあ普通にしてみようか。そこに寝て、足開いて」
「普通に……う、うん。そうね、普通に……ね」
戸惑いと恥じらいを感じながらも、言われた通りに足を開く。
すると未使用純潔のアソコが露わになり、その美しさにタカシも思わず生唾を飲んだ。
「いやぁ……マジかぁ……」
「ど、どうしたのよ」
亀頭を宛がい、後は腰を突き出せば挿入。
そこまできて、タカシは感慨深そうにため息をつく。
「だってさ、あの薙切えりなに自分のチンポを……突っ込めるんだぞ!?」
「あぐっ!?」
言うが早いか、一気に挿入してえりなの処女を奪うタカシ。
当たり前のことをされただけのえりなも、破瓜の痛みに思わず苦悶の声を漏らす。
「すっげぇ……育ちの良いお嬢様って、マンコもこんなに気持ちいいのかよ……」
「こんなの味わったら、他で満足できるわけが……!」
えりなのアソコからくる強烈な快感に、自分自身も何かを刻み込まれるような経験をしてしまっていると後悔交じりの興奮に悶える。
これほどの気持ち良さを知ってしまって、今後他の女に満足できるか不安になるほどだ。
「動くからな」
「う……わかってるわよ。さっさと射精しなさい」
痛みを堪え強がるえりなに、タカシは容赦なく腰を振った。
貪るようにチンポを出し入れし、純潔だった汚れのしらないアソコを蹂躙していく。
その快感はタカシを射精させるのに一分とかからなかった。
「おら!俺のザーメン……な、中で味わえ!く、うっ!」
「せ、精液がアソコの中に注がれているのがわかるっ。しゃ、射精ってこんなにでるの……!?」
こうして中出し支払は完了したが、タカシがこれでえりなを手放すわけはなく、再びキーワードを言われてしまう。
「薙切えりなは味音痴」
「う……―――」
新たに暗示を加えられたえりなは元の生活へと戻り、特に何も起こらないまま数日を過ごした。
暗示が発動したのは、あることがきっかけだった。
「アリス、あなた甘崎タカシの調理器具を壊したんですってね?なんでそんなことになったのよ」
「ご、ごめん。ちょっとはずみで……でも弁償はしたから」
「弁償して済む問題じゃないの。料理人が調理器具を壊すなんて、一体どういうつもりなの。まして薙切の名を持つ者が……あってはならないことだわ」
「それは……反省してます」
素直に謝るアリスを前にこれ以上叱責する気にはなれず、えりなは事を荒立てずに解決することとした。
「まぁいいわ。被害者の甘崎タカシも許しているってことだし、私からも謝罪しておくからそれで解決とします」
「えりな……ありがとうっ。本当にごめんなさいっ」
(はぁ……頭を下げるなんて嫌だけど仕方ないわね……)
「緋沙子、甘崎タカシを呼んで頂戴」
「……」
「緋沙子?」
「え?あっ、は、はい!少々お待ちください」
気を抜いていた緋沙子にもやれやれというため息をついて、えりなはタカシが来るのを待った。
「話しは聞いたわ。アリスが迷惑かけたそうね」
「まぁでも、弁償してもらったし」
「既に二人の間では解決しているというのは知っているわ」
「ただ、血縁者が迷惑をかけたんだから、薙切の者として私も謝罪する義務があるの」
「申し訳なかったわね」
軽く頭を上げたえりなに合わせ、居合わせた緋沙子もわずかに頭を下げる。
内心は甘崎タカシ程度の男にえりなの頭を下げさせたアリスに激しい怒りを感じていたが、思いを堪えて無言を貫いた。
「さて、と。実を言うと謝罪だけが理由で呼んだわけじゃないの」
「俺に用事?」
「そうね。緋沙子、悪いけど席を外してくれるかしら」
「ふ、二人っきりになってしまいますよ!?」
「おいおい、随分な反応だな」
「……緋沙子」
キリッと睨まれた緋沙子は不満と悔しさを浮かべながら退室した。
部屋で二人っきりになったところで、えりなはようやく本来したかったことができるようになった。
「……それじゃ、追加謝罪させてもらってもいいかしら」
「俺はいいけど、必要あんの?」
「あるわよ!親族があなたに迷惑をかけてしまったのよ!?全裸で土下座謝罪しなければならないわ!」
「そーいうことなら見せてもらおっかな。誠意ってやつ」
「当然よ!!」
「私の全裸土下座、しかと目に焼き付けなさい!」
「そんな強気で謝ろうとするやつ初めてだよ」
この態度に反して、全裸土下座を実行したえりなの謝罪はしおらしいものだった。
「こ、この度は御迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした」
「薙切を代表し、ここに謝罪します」
「ですからどうか許してください。この通りです」
「じゃ、また飯作ってよ。それで許してあげる」
「本当ですか?わかりました、では今すぐ用意しますわ」
えりなは謝罪の気持ちを込めて料理を作った。
それは普段以上の出来で、まさしく神の舌を持つ者に相応しい究極的に美味の料理だった。
だが……。
「わ、私の料理が不味いですって!?」
事もあろうに料理を不味いと吐き捨てられてしまったえりなは、激怒してタカシの胸ぐらを掴みかかる。
実際には極上の料理だったが、えりなの怒りを買うためにタカシはわざと嘘をついていた。
「ふざけるのも大概になさい!私の料理が不味いなんて、本気で言っているの!?」
「ほ、本気だよ」
「あなたね……!わかった、そこまで言うのなら本当か確かめさせてもらうわ!」
「どうするつもりだよ」
「決まってるじゃない、お尻の穴を舐めさせてもらうわ!」
「人はお尻の穴を舐められている時、嘘は付けない。私が直にあなたの尻穴を舐めて、もう一度料理の感想を質問させてもらいます」
「それでも本当に不味いって言えるもんなら言ってもらおうじゃない!」
「プッ……薙切えりながケツ穴舐めるのか」
「当然よ!嘘ついていないなら舐めさせられるはず」
「まさか拒否しないわよね?」
「そりゃしないけどさ。まぁいいや、せーぜーケツ穴舐めて、俺の本音を引き出してよ」
「言われなくてもそうするわ。それじゃ、お尻を出しなさい」
「はいはい」
尻穴を舐めればタカシは料理が美味しかったと本音を言うに違いない。
その絶対的自信を持ってえりなは尻穴を舐めた。
だが、いくら舐めてもタカシは美味しいとは言わず、トドメとばかりにもう一度不味かったと言われてしまう。
これにはさすがのえりなも本心から不味いと言っているのだと納得せざる負えず、酷くショックを受けてしまう。
だが彼女には、ショックを受けていてもやらなければいけないことがった。
それは、今日二度目の謝罪だ。
「疑って迷惑をかけてしまったからには、改めて土下座で謝罪させてもらうわ!」
「私の全裸土下座、しかと目に焼き付けてもらうよ!」
「さっきも言ったけどさ、土下座するっていうのに強気だよな」
「不味い料理を提供した上、感想を嘘だと疑ってしまい申し訳ございませんでした!」
「償いはなんでもします。どんなことでも言ってください」
「そうだなぁ……」
タカシは少し考えて、ポンッと手を叩いた。
「そうだ、試したいことあったんだ」
「試したいこと?」
「そう。結果がどうなるかはお前次第なんだけど、今から言うこと、じゃんと実行してくれる?」
「もちろんよ!どんな償いでもすると言ったじゃない」
「OK。だったらお前さ、一個自分の習慣を持て」
「習慣を持つ……どういう意味?」
「わかりやすく言うと、これから俺が言うことをお前は自分の習慣だと思うんだ」
「暇さえあればそれを強く心の中で念じて、それが当然だと思うまで自己暗示をかけ続けろ」
「そうやって本当の習慣を一から作りだすんだ」
「強く念じて自己暗示……良くわからないけど、それが償いだというならやってみせるわ!」
償いの趣旨が今一つ理解できないえりなだったが、習慣にしろと命じられた内容は償いとして十分だと思えるものだった。
「わかったわ。これから私は、不味い料理を食べた場合は甘崎タカシ……つまり貴方のチンポをしゃぶって精液を飲むことで口直しをする。これを習慣にするわ」
「何の疑いも無く、それが当然だと心の底から思えるまで自己暗示をかけ続けることも約束するわ」
(……意外と上手くいったな)
「なら俺は効果が現れるのを楽しみに待たせてもらうよ」
「あまり待たせないように私も努力するわ」
通常の意識を持ったえりなに自己暗示をかけさせるという手段が成功するかはタカシも確信が無かったが、結果は一か月と経たずに現れることになる。
それはタカシが予想した期間よりもはるかに短いものだった。
「えりな様、これが例の新作ですか?」
「そうよ。新作というか試作ね。新しい調味料を試してみたのだけれど、私も初めて使うからどんな味になるかは想像もつかない」
「だからとりあえず口にしてみて、どう扱うか決めることにするわ」
「そうなんですか」
薙切えりなが知らないという調味料。
それを使い、味見もせずに料理を完成させるという行為。
そこに何か思う所がある様子の緋沙子だったが、試食に対して口出しすることはなかった。
「一体どんな味になっているのかしら」
「香り……というより臭いはお世辞にもだけれど……」
「……あむっ」
えりな自身も恐る恐るの実食となったが、とりあえず一口食べる。
「もぐもぐ……ごくんっ」
「……」
飲みこんだえりなは数秒無言になる。
「え、えりな様?」
しばらく押し黙るえりなに緋沙子も不安になるが、さらに数秒無言の後でようやく口を開いた。
「不味すぎるわ!!」
「何よこの調味料!?香りも味も何もかもが最低よ!」
「えりな様……」
「これじゃあ御口直しするしかないわ!」
えりなは迷わず甘崎タカシを呼んだ。
―――
―――
―――
「突然呼びつけてどうしたの?」
「頼みがあるの。貴方のチンポをしゃぶらせてもらえないかしら?」
「お、マジか!早かったな!」
「早い?意味が分からないけど、さっき酷い料理を口にしてしまったの」
「だからあなたのチンポをしゃぶって、精液で口直ししたいのよ」
四六時中自己暗示をかけ続けたえりなは、たった一か月で与えられた習慣を本当に自分の習慣としてしまった。
これはタカシにとっても想像以上の結果で、えりながさも当然のようにしていることは大成功を意味していた。
「ちょうどムラムラしてたところだから、チンポしゃぶってくれるなら大歓迎だよ」
「ありがとう。それじゃ、失礼するわね」
えりなはなんの躊躇いも無しにチンポをしゃぶり、射精を口で受け止めた。
「んんっ
……ごくんっ
」
「はぁあああ……!これよぉ……
この精液のあじぃ……
」
「イックウウウ
」
「え?い、イッたの?」
えりながイクとは思っていなかったタカシにとっても、この現象は予想外だった。
後になってわかったことだが、えりなは強烈な自己暗示によって御口直しに精液を口にする習慣を身につけたわけだが、それはつまり精液が御口直しに適するほどものだと認知したということ。
すなわSち、えりなにとって精液は最高の味だとインプットされていたということだ。
だからタカシの精液を口にした瞬間、あまりの美味に体が絶頂するほどの快感を得たのだ。
その晩、えりなは風呂で御口直しした時のことを振り返っていた。
「ふぅ、いいお湯
」
「それにしても、御口直しできて本当に良かったわ」
自分で強烈な自己暗示をかけた結果、えりなはそのことすらも忘れてしまっていた。
「……彼、なかなか使えるわ。側に置いておきたいわね」
違和感を感じるどころか、自己暗示を命じたタカシのことも『御口直しをさせてくれる有能な人材』と認識してしまっている。
タカシも後日、認識や記憶の調整の為に再び催眠導入した時に、えりなの認識が完璧に変わっていることに気付いた。
これほど都合よくえりなの認識が変化したことはタカシも予想していなかったが、調整が必要なくなったことで時間があまったので、さらに暗示を追加して弄ぶことにした。
―――
―――
―――
いくつか追加した暗示の一つは、翌朝に発動した。
「私がパンツを履いているか確認してちょうだい」
「俺に?いいけど、スカートめくっていいの?」
「もちろんよ。着用を確認するためだったら、スカートをめくろうが降ろそうがなにしてもいいわ」
「ふーん、じゃあとりあえず男のロマンで確認させてもらおっかな」
「男のロマン?」
「そう。こうやって確認するの」
そう言ってタカシはしゃがみ、頭をスカートの中に突っ込んだ。
「こ、これが男のロマンなの?」
「そりゃあね。いや~一度スカートの中に潜ってパンツを見たかったんだ」
「ま、まぁいいけど……ちゃんと確認してよね?」
「パンツならバッチリ履いてるよ。けどさ」
「けど何よ?確認できたならスカートの中から出ていきなさい」
「いやね。パンツは確認できたけど、ザーメンが確認できなかったんだよ」
「……!!」
それを聞いてえりなはハッとし、そして慌てた。
身だしなみとして絶対に忘れてはいけないものを忘れていたからだ。
「私としたことがザーメン無しでパンツを履くなんて……」
「まー、忘れるって誰でもあるから。今からでもザーメン塗って履けばいいじゃん」
「そ、そうね!それじゃあ悪いんだけど、今からパンツであなたのオチンポを扱かせてもらえるかしら?」
「OK。俺もムラムラしちゃってたからさ、抜いてもらえるのは大歓迎だよ」
「利害の一致ね。それじゃあ失礼するわ」
えりなはいそいそとパンツを脱ぎ、ホカホカのそれでチンコを扱いた。
彼女はパンツを着用しているか甘崎タカシに毎朝確認させなければならないと思わせられているが、正しいパンツの着用方法は『甘崎タカシの精液を染み込ませたパンツを履くこと』になっている為、射精した精液を溢さず受け止められるパンツコキが最も確実な手段だと思っているのだ。
「くぅ……!なんってサラサラなパンツだよ」
「こ、この感触は初めて……うっ!」
一点物の薄くきめ細やかな素材で作られた高級パンツの感触に、タカシはすぐに射精した。
「び、ビクビクして……しゃ、射精してるのね」
「……うん、これだけ染み込んでいれば模範的なパンツだわ」
「んっしょ……すごくネチョネチョするけど……この不快感こそがパンツを履いているって感じね」
目の前でザーメンパンツを履くえりなの姿は背徳的で、タカシはえりなが去った後でもムラムラが収まらず一発抜くのだった。
しかし、暗示はこれで終わりではない。
ここからはいよいよ、薙切えりなの身も心も支配してしまう暗示が彼女を待っているのだ。
そしてそれは、翌日の朝の事件をきっかけに発動した。
その事件とは、同じように朝のパンツチェックを頼んだ時に起きた。
「は?精液を提供したくないですって?」
呼びつけたタカシにパンツコキをさせるように命じたえりなだったが、これを拒否されたのだ。
「ふ、ふざけるんじゃないわよ!」
「精液が染み込んだパンツを履いてないと、私はまともに料理すらできないのよ!?」
「それはそっちの都合だろーが」
「なんですって!?」
「……だったらもう、どちらが上の立場であるか教える必要があるわね!」
「あん?同じ生徒だろ」
「そう言うことを言っているんじゃないの!」
「あなたに……主従食戟を申し込むわ!!」
精液パンツを履けない焦りから、えりなはタカシに食戟を申し込んだ。
通常、遠月では意見の対立を食戟によって勝った方が通したり、それぞれの『位』や『立場』をかけて食戟するケースも多い。
これもそれに該当するわけだが、神の舌を持つ薙切えりなが格下相手に自分から食戟を申し込むと言うのは異例だった。
そしてこの食戟は、えりなとタカシしかその内容を理解していない特殊なものであった。
「主従食戟ねぇ……・いいけどさ、負けたらどうなるかわかってんの?」
「当たり前でしょ!?馬鹿にしないで!!」
「主従食戟とは!どちらが主かを決める食戟……それはSEXをして足腰立たなくなってから料理を行い、勝敗を決める人生で一回しか行うことのできない神聖な食戟よ」
「へー……ふふ、そこまでわかってて主従食戟したいわけね」
「そんなに俺のザーメンが欲しいんだ?」
「そ、そうよ!悪い!?」
「いやいや、別に。じゃ、勝負は受けてやるから、料理のテーマは卵ってことで」
「……わかったわ。それじゃあ勝負は明日の午前10時!場所は追って伝えるわ」
「オーケー」
こうして主従食戟の約束を取り交わしたえりなだが、ハッとした。
「あ、あの!ちょっと待って!」
「なんだよ?」
「その、え~と……勝負は明日だけど、今日の分の精液……いただけないかしら?」
食戟で勝つのは確実。だから明日以降の精液は確保できるわけだが、それだと今日の分が無い。
どうしても精液パンツを履きたいえりなは、態度を軟化させて頼んだ。
「ったく、仕方ないな」
「本当!?あ、ありがとう!」
特別に精液を恵んでくれると言うタカシにお礼を言い、夢中でパンツコキするえりな。
彼女は気付いていなかった。
手コキをする自分を、下卑た笑みで見下ろすタカシの表情の意味に……。
―――
――
―
「ここですか?」
「んんっ
今日はなにかいつもより良い気がするわ、そこ……んっ
その日の晩、緋沙子のマッサージを受けたえりなは、その流れで一緒に風呂に入ることにした。
「えりな様、甘崎タカシと主従食戟をすると聞きましたが」
「あら、耳が早いわね。そうなのよ。あなたも審査員として手を貸してくれないかしら」
「はい。そう命じられていま……ごほん。そう言う事でしたら喜んで審査員を務めさせていただきます」
「ありがとう。他にはアリスにも声をかけてあるわ」
「そうですか。ところでえりな様、主従食戟ということであれば、必要な物がありますよね」
「私のでよろしければ、後でお渡ししますが」
「本当!?良かった、助かるわ」
「いえ、これくらいのことはさせてください」
「ありがとう」
自分が勝手に決めた主従食戟に協力的な緋沙子に改めて感謝しつつ、ある物を受け取り準備を万全にして主従食戟に臨むこととなった。
翌朝、えりなはオナニーに没頭していた。
「んあっ
はぁはぁ……も、もう20回はイッておかないと……」
主従食戟は通常の食戟と同じように料理で対決するが、その違いは対戦相手とセックスをしてから調理をすることだ。
セックスでは出来るだけ激しく乱れ、足腰立たないという極限状態を作り出すことで自分の秘めた才能を掘り起こすことができるのが主従食戟なのだ。
その為の事前準備でオナニーをしておき、より体を淫乱にしておくことが主従食戟に勝つ近道とされる。
手を抜く気はないえりなは、徹底してオナニーしておくことで万全の態勢を整えていた。
「ああんっ
イクッ
んんんあああっ
」
ただオナニーしてイクだけではない。
えりなには定石プラスアルファの必勝と呼べる策もあった。
(私に油断は無いわ。ここからは緋沙子にもらったアレで……)
彼女は1枚の写真を取出し、それを見ながらオナニーを続けた。
その写真に写っているのは甘崎タカシ。それも全裸で勃起し、仁王立ちしている姿だ。
セックスする相手の写真を使ってオナニーすることで、本番のイメージトレーニングを兼ねたオナニー準備こそ、えりなの秘策だった。
甘崎タカシとのセックス。
それを様々なシチュエーションで妄想しながらオナニーに耽ったえりなは、なんと1枚の写真で30回も絶頂した。
それは完全に『出来上がった』状態で勝負の場に彼女が立つことを意味し、負けの二文字など頭の中から消えるほどの自信を持って勝負に臨んだ。
「……っ、……はぁ」
主従食戟の場に着いたえりなは対戦相手の甘崎タカシと対峙する。
その表情は凛としているが、口から吐息が漏れている。
「息が乱れてないか?そんなんで俺と戦えるのかよ」
「だ、大丈夫よ!」
「ならいーけどさ」
予定通り審査員に薙切アリスと新戸緋沙子を迎え、どちらの立場が上かを決める主従食戟が開始された。
料理を開始する前にまずは会場に用意されたベッドでセックスが行われる。
もちろん当事者である甘崎タカシと薙切えりなのセックスだ。
審査員二人が見ている中で激しいセックスが繰り広げられ、実に3時間という長期戦の末ようやく二人は足腰立たなくなり、料理が開始された。
料理の制限時間は30分。
しかし二人とも疲れ果てている為、30分という時間の中で料理に向き合える時間はわずかだ。
そんな過酷な状況下であっても、えりなは構想通りの料理を仕上げ、審査員に時間内で提供することに成功した。
「……どうぞ」
試食した2人はあまりの美味に悶絶するほどの衝撃を味わった。
これほどの状況で作ったとは思えないクオリティだ。
対する甘崎タカシはヤリ疲れでまともに料理にならず、市販のプリンを切ってその上にグリーンピースを添えただけの酷い品を提供した。
料理とさえ呼べないそれを見て、えりなを含む3人からは思わず失笑がこぼれる。
「まぁまてよ。これで完成じゃないんだよなぁ」
「この料理は審査員二人に協力してもらって初めて完成なんだよ」
「どういうこと?」
タカシはなんとその場で審査員に協力を要請し、プリンの前でWフェラをさせた。
射精した精液はたっぷりとプリンにかかり、『ザーメンプリン』が料理として完成したのだ。
散々セックスしたあとだというのに、十分な精液量で、審査員も含めこれなら料理として認めざる負えなかった。
「まさか伝説の食材、ザーメンを使うなんて……!」
「こ、こんなのずるいわ!」
「だ、だって匂いをかいだだけでもう……!」
「お前も食べていいぞ」
「……ゴクリッ」
審査員と共に実食を許されたえりなは、恐る恐るザーメンプリンを口にする。
「……パクッ」
それを口にした瞬間だった。
「~~~ッッッ
」
全身を包むような幸福感と脳を焦がす様な強烈な旨味がえりなと審査員二人を襲う。
「ッッ

」
まるで天にも昇るような食の快楽。
えりなの人生で父を初め多くの料理人が作った最高の料理の記憶、
それらの全てを吹き飛ばしてしまうほど衝撃的な美味しさは、一口で勝敗の結果を決めてしまうほどのものだった。
満場一致でザーメンプリンの勝利。それは誰が口を開かずとも明らかだった。
「はぁはぁ……
えりな様の料理も素晴らしかったのですが……いえ、訂正します」
「このザーメンプリンと比べたら、えりな様の料理など残飯以下のゴミクズ……料理と認めていいのかすら迷うほど……天と地ほどの差がありました」
「そうだね……薙切の人間でも、こんなに美味しい料理を食べた人っていないんじゃないかな」
(悔しいけど……私も認めざる負えないわ)
(これ……美味し過ぎるもの……!!)
腰が砕けて床にへたりこむえりなは、顔を上げることができなかった。
それほど圧倒的差かつ完全な敗北だったのだ。
「つーわけで勝負は俺の勝ち」
「主従食戟に負けたらどうなるかわかってるよな」
「これでお前は一生俺の下僕ってことだ。これからは俺が御主人様だからな?」
「わかりました……御主人様ぁ……・っ!」
未だザーメンプリンの余韻で身悶えるえりなはなんとか言葉を絞り出す。
こうしてお互いの立場を決める主従食戟は甘崎タカシの勝利で幕を閉じ、薙切えりなは同じ遠月生徒の下僕となってしまったのだった。
「そんなこと言わないでさ」
遠月の1年生、甘崎タカシは無謀にも薙切えりなに試食をせがんだが、匂いを嗅がれただけで食べるのを拒否されるという憂き目に合っていた。
「とっと失せなさい!」
跳ね除けるように切って捨てるえりなに対し、タカシは凶行に出る。
なんと料理を手で掴み、えりなの口に無理やり押し込んだのだ。
「いいから食べろ……よ!」
「ちょっ、何すんのよ!ふぐっ!」
元々食べてもらえないことも想定していたタカシは、手で持ちやすいような形状に料理を作っていたのだ。
「おら、飲みこめ!」
「いやっあぐ……ごくんっ!」
「飲んだな!」
臭いから察していた通り口の中に広がったのは美味とは到底言えない味。
そんな料理を飲みこんでしまったえりなだが、その途端急に意識がふらっとなり、気絶に近い状態になってしまう。
「あ……」
彼女は料理が不味くて気絶したのではない。
今の状態は気絶に見えて全く違うものであり、心を解き放ったいわば催眠状態なのだ。
「アハハ、神の舌にも効果があったか」
「そりゃあそうだよな、人より味覚が優れてるんだ。味音痴よりよっぽど効果が出て当然なんだよな」
催眠状態に陥ったえりなを前に、タカシは余裕を見せる。
こうしてしまえばどんな人間でも無害。あとはやりたい放題だからだ。
「そりゃ不味いに決まってんだろ」
「南米の秘境に伝わる催眠導入料理なんだからな」
甘崎タカシ。
彼の専門料理は表向き薬膳系とされているが、その裏では薬物を使った麻薬依存料理を研究していた。
そんな時に出会ったのが、秘境で見つけた精神安定剤になる薬草だった。
現地の民族の巫女が行う『魔術』の類の中に、逆行催眠を行うための催眠導入剤として使われているのがその薬草だったのだ。
本来は精神を安定させ、巫女が催眠導入を施すのだが、その技術は手に入らなかった。
そこでタカシは薬草の性質に目をつけ、より精神安定剤としての性能を高める料理を創作し、ついに催眠導入料理として完成させたというわけだ。
「よし、それじゃあ薙切……頭の中弄らせてもらうぜ」
タカシは耳元で囁き、えりなに暗示をかける。
もちろんこれが初めてではなく、事前に何人か催眠導入し、練習してから本命のターゲットである薙切えりなにしかけたのだ。
『薙切えりなは味音痴……言われたら……またこうなる……どんなときでも……』
いつでも再び催眠状態に出来るよう、まずはキーワードを設定する。
最初にこうしてしまえば、途中で暗示を中断することになったとしてもいつでも再暗示可能になる。
「お前は甘崎タカシに何か頼まれると、頭の中から断るという選択肢が消える」
「なにか……頼まれ……断る……選択肢……消える……」
「そう。だから俺の頼みは必ず受ける。わかったな?」
「頼みは必ず……受ける……わかりました……」
えりなへの要求を通せるようにし、実質的ないいなりへと作り変えていく。
それだけにとどまらず、他にも常軌を逸した暗示を植え付ける。
タカシが口答えした時は自分の胸に顔を押し付けるのが良い、それでも聞かないときはアソコを直接舐めさせる……等だ。
そこまで済んだら、いよいよ目を覚まさせる。
直前の記憶は普通に提供された料理を食べたが不味かったと書き換え、強引に口に押し込んだという事実は消す。
そうしないと、目が覚めたえりなと揉めてしまうからだ。
―――
―――
―――
「で、料理の感想は?」
「え?……あ、あぁ料理…料理ね。ま、不味かったわよ!」
目を覚ましたえりなは意識の空白に戸惑うが、間髪入れずタカシが質問したことでうやむやになった。
これも催眠術を使う上でのテクニックだ。
「でも完食したじゃねーか」
「え?あ、そうね……ほんとだ……」
「てことは俺の料理が美味しかったってことだろ?」
「完食しても不味いものは不味いわよ!」
「けどよ……」
「もう、うるさいわね!」
「ふぐっ!?」
食い下がるタカシにカッとなったえりなは、彼の頭を掴んで胸にぼよんっと顔を沈めた。
「うわ~……おっぱい柔らかっ!」
柔軟性と弾力、相反する二つの要素を備えた胸の感触にタカシは素で悦んだ。
「どう?これで口答えする気もなくなったでしょう」
「ん?いや~それは別の話だよ」
「な!?」
「だって完食してるんだしさぁ」
(この人……これだけされてまだ言うの!?)
(こうなったら仕方ないわ……)
動揺交じりの怒りが再燃し、えりなは最終手段に出る。
「あなた、私のアソコを舐めなさい!!」
「クンニしろってこと?」
「ク……!?そ、そうよ!私のアソコを舐めれば、いくらあなたでもさすがに自分が間違っているってわかるでしょ!」
「じゃ、お言葉に甘えて♪」
「下脱がすよ」
「さ、さっさとしなさい」
「へいへい」
えりなのズボンを降ろし、露わになった高級そうなパンツに手をかけ、ゆっくりと降ろす。
まだ誰も見たことのないであろうアソコが白昼に晒されると、タカシも思わず生唾を飲みこむ。
透き通るような綺麗な肌と整った陰毛は芸術作品の様で、気圧されるような神々しさすらあった。
「じゃ、舐めるよ」
「早くしなさい」
「ぺろぺろ、じゅるるっ」
「んっ……」
しゃぶりつくようにアソコを舐められ、えりなも少し反応する。
だが、あくまでこれは説教や叱咤的な意味あいでしている物なので、性的快感を得ているわけではなく、敏感なところを触られて起こる反射のような反応だ。
「じゅるる、うっま!えりなのマン汁、美味すぎる……!」
「育ちが良い女のマン汁って、こんななのか」
「口開く暇があったらもっと舐めなさい」
「へーい。れろれろっ、じゅるる!」
「いやしかしこれマジで美味いわ。そうだ、このマン汁を料理に使って誰かに食わせてみてよ、秘書の女あたりにでもさ」
「……わかったわ。それよりちゃんと舐めなさい」
頼まれた形だった為、えりなは断らない。
クンニされている間、頭の中で自分の愛液を使った料理をいくつもシュミレーションするが、そもそも愛液の味がわからない。
(あとで味見してみないとどうしようもないわね)
夜にでも自慰をして、愛液を一舐めしてみようと思ったところで、タカシのクンニが終わった。
「ちゃんと反省したんでしょうね?」
「うん。悪かったよ」
「……そう、ならいいの」
クンニで反省させることができ、ホッと胸を撫で下ろす。
これ以上はどうすればいいかわからなかったので、反省しなかったらどうしようと内心少し不安だったのだ。
「ところで、今晩暇?」
「暇じゃないわよ」
「そっか。暇じゃないとこ悪いんだけど、俺の為に夕飯作ってもてなしてくれない?」
「え?……まぁいいわよ」
「新作料理を考えていたことだし」
「サンキュー」
夜、料理を作ることを約束したえりなだが、実際に用事はあった。
だがそれを彼女はキャンセルしてまで甘崎タカシへの持て直しをしたのだ。
それまで面識すらなかった男を、それも薙切えりなという人物がもてなすのは異常なことだったが、えりな本人にとっては普通に頼みをきいてあげたに過ぎない認識だ。
「味はどうかしら?」
「めちゃめちゃ美味しい!こんな美味い料理初めてだ……!」
「さすがは神の舌……俺じゃ絶対この料理は作れない」
同じことを過去に何度も言われているえりなにとっては当たり前のことだが、絶対に辿り着けない領域の美味にタカシも同じ料理人として思わず唸る。
「おっと、あんまり美味すぎるから今日の本題を忘れるところだった」
「本題?」
「そうだよ。薙切えりなは味音痴ってね」
「う……」
突然のキーワードにもしっかりと反応し、えりなは催眠状態に陥る。
この状態の彼女に対してタカシがすることは、性欲を満たすことだけだ。
「私は……甘崎タカシに提供する料理……支払い……求める……」
「お金の代わりに……セックスして……精液……」
「それ以外ない……疑問も抱かない……」
えりなは追加で暗示をかけられてしまい、その内容は直接的な性行為を彼女にさせるものだった。
いよいよ彼女の体が毒牙にかけられようとしているが、ここに助けは入らない。
もはや、催眠状態から覚醒しないことだけが彼女が助かる唯一の方法だが、それは不可能だった。
「ん……?」
タカシによって意識を取り戻したえりなは、暗示の通りに行動してしまう。
それがおかしいことだとは一切の疑問を抱かずにだ。
「さ、それじゃあ私とセックスしてもらうわよ」
「なんでセックスするの?」
「なんでって、代金を払ってもらうからに決まってるでしょう」
「精液をアソコの中に出してもらう以外に、代金を支払う方法なんてないじゃない」
「あー、そうだったね」
「まさか払わないなんて言わないよね?」
「いやいや払うよ。そりゃもう喜んで」
「おかしな人ね」
ニヤニヤしているタカシの表情に怪訝そうな顔をするものの、すること自体には何も思っていない。
えりなはタカシに服を脱ぐように言い、自分も身に纏っている物全てを脱ぎ捨てた。
「……ッ」
(そ、そういえば私初めて……!)
服を脱いで、自分が処女だと気付くえりな。
セックスをすること自体は疑問に思っていないが、初めてセックスをするということに対する動揺と恥ずかしさは消えていない。
「で、俺はどうすればいいの?」
「え?あ、あぁそうね……えっと……」
経験が無いのでどうしていいかわからないえりなは、苦し紛れでタカシに好きにさせるという選択をした。
股は開くから、そこから先の挿入と中出しをどうやってするかは委ねたということだ。
「じゃあ普通にしてみようか。そこに寝て、足開いて」
「普通に……う、うん。そうね、普通に……ね」
戸惑いと恥じらいを感じながらも、言われた通りに足を開く。
すると未使用純潔のアソコが露わになり、その美しさにタカシも思わず生唾を飲んだ。
「いやぁ……マジかぁ……」
「ど、どうしたのよ」
亀頭を宛がい、後は腰を突き出せば挿入。
そこまできて、タカシは感慨深そうにため息をつく。
「だってさ、あの薙切えりなに自分のチンポを……突っ込めるんだぞ!?」
「あぐっ!?」
言うが早いか、一気に挿入してえりなの処女を奪うタカシ。
当たり前のことをされただけのえりなも、破瓜の痛みに思わず苦悶の声を漏らす。
「すっげぇ……育ちの良いお嬢様って、マンコもこんなに気持ちいいのかよ……」
「こんなの味わったら、他で満足できるわけが……!」
えりなのアソコからくる強烈な快感に、自分自身も何かを刻み込まれるような経験をしてしまっていると後悔交じりの興奮に悶える。
これほどの気持ち良さを知ってしまって、今後他の女に満足できるか不安になるほどだ。
「動くからな」
「う……わかってるわよ。さっさと射精しなさい」
痛みを堪え強がるえりなに、タカシは容赦なく腰を振った。
貪るようにチンポを出し入れし、純潔だった汚れのしらないアソコを蹂躙していく。
その快感はタカシを射精させるのに一分とかからなかった。
「おら!俺のザーメン……な、中で味わえ!く、うっ!」
「せ、精液がアソコの中に注がれているのがわかるっ。しゃ、射精ってこんなにでるの……!?」
こうして中出し支払は完了したが、タカシがこれでえりなを手放すわけはなく、再びキーワードを言われてしまう。
「薙切えりなは味音痴」
「う……―――」
新たに暗示を加えられたえりなは元の生活へと戻り、特に何も起こらないまま数日を過ごした。
暗示が発動したのは、あることがきっかけだった。
「アリス、あなた甘崎タカシの調理器具を壊したんですってね?なんでそんなことになったのよ」
「ご、ごめん。ちょっとはずみで……でも弁償はしたから」
「弁償して済む問題じゃないの。料理人が調理器具を壊すなんて、一体どういうつもりなの。まして薙切の名を持つ者が……あってはならないことだわ」
「それは……反省してます」
素直に謝るアリスを前にこれ以上叱責する気にはなれず、えりなは事を荒立てずに解決することとした。
「まぁいいわ。被害者の甘崎タカシも許しているってことだし、私からも謝罪しておくからそれで解決とします」
「えりな……ありがとうっ。本当にごめんなさいっ」
(はぁ……頭を下げるなんて嫌だけど仕方ないわね……)
「緋沙子、甘崎タカシを呼んで頂戴」
「……」
「緋沙子?」
「え?あっ、は、はい!少々お待ちください」
気を抜いていた緋沙子にもやれやれというため息をついて、えりなはタカシが来るのを待った。
「話しは聞いたわ。アリスが迷惑かけたそうね」
「まぁでも、弁償してもらったし」
「既に二人の間では解決しているというのは知っているわ」
「ただ、血縁者が迷惑をかけたんだから、薙切の者として私も謝罪する義務があるの」
「申し訳なかったわね」
軽く頭を上げたえりなに合わせ、居合わせた緋沙子もわずかに頭を下げる。
内心は甘崎タカシ程度の男にえりなの頭を下げさせたアリスに激しい怒りを感じていたが、思いを堪えて無言を貫いた。
「さて、と。実を言うと謝罪だけが理由で呼んだわけじゃないの」
「俺に用事?」
「そうね。緋沙子、悪いけど席を外してくれるかしら」
「ふ、二人っきりになってしまいますよ!?」
「おいおい、随分な反応だな」
「……緋沙子」
キリッと睨まれた緋沙子は不満と悔しさを浮かべながら退室した。
部屋で二人っきりになったところで、えりなはようやく本来したかったことができるようになった。
「……それじゃ、追加謝罪させてもらってもいいかしら」
「俺はいいけど、必要あんの?」
「あるわよ!親族があなたに迷惑をかけてしまったのよ!?全裸で土下座謝罪しなければならないわ!」
「そーいうことなら見せてもらおっかな。誠意ってやつ」
「当然よ!!」
「私の全裸土下座、しかと目に焼き付けなさい!」
「そんな強気で謝ろうとするやつ初めてだよ」
この態度に反して、全裸土下座を実行したえりなの謝罪はしおらしいものだった。
「こ、この度は御迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした」
「薙切を代表し、ここに謝罪します」
「ですからどうか許してください。この通りです」
「じゃ、また飯作ってよ。それで許してあげる」
「本当ですか?わかりました、では今すぐ用意しますわ」
えりなは謝罪の気持ちを込めて料理を作った。
それは普段以上の出来で、まさしく神の舌を持つ者に相応しい究極的に美味の料理だった。
だが……。
「わ、私の料理が不味いですって!?」
事もあろうに料理を不味いと吐き捨てられてしまったえりなは、激怒してタカシの胸ぐらを掴みかかる。
実際には極上の料理だったが、えりなの怒りを買うためにタカシはわざと嘘をついていた。
「ふざけるのも大概になさい!私の料理が不味いなんて、本気で言っているの!?」
「ほ、本気だよ」
「あなたね……!わかった、そこまで言うのなら本当か確かめさせてもらうわ!」
「どうするつもりだよ」
「決まってるじゃない、お尻の穴を舐めさせてもらうわ!」
「人はお尻の穴を舐められている時、嘘は付けない。私が直にあなたの尻穴を舐めて、もう一度料理の感想を質問させてもらいます」
「それでも本当に不味いって言えるもんなら言ってもらおうじゃない!」
「プッ……薙切えりながケツ穴舐めるのか」
「当然よ!嘘ついていないなら舐めさせられるはず」
「まさか拒否しないわよね?」
「そりゃしないけどさ。まぁいいや、せーぜーケツ穴舐めて、俺の本音を引き出してよ」
「言われなくてもそうするわ。それじゃ、お尻を出しなさい」
「はいはい」
尻穴を舐めればタカシは料理が美味しかったと本音を言うに違いない。
その絶対的自信を持ってえりなは尻穴を舐めた。
だが、いくら舐めてもタカシは美味しいとは言わず、トドメとばかりにもう一度不味かったと言われてしまう。
これにはさすがのえりなも本心から不味いと言っているのだと納得せざる負えず、酷くショックを受けてしまう。
だが彼女には、ショックを受けていてもやらなければいけないことがった。
それは、今日二度目の謝罪だ。
「疑って迷惑をかけてしまったからには、改めて土下座で謝罪させてもらうわ!」
「私の全裸土下座、しかと目に焼き付けてもらうよ!」
「さっきも言ったけどさ、土下座するっていうのに強気だよな」
「不味い料理を提供した上、感想を嘘だと疑ってしまい申し訳ございませんでした!」
「償いはなんでもします。どんなことでも言ってください」
「そうだなぁ……」
タカシは少し考えて、ポンッと手を叩いた。
「そうだ、試したいことあったんだ」
「試したいこと?」
「そう。結果がどうなるかはお前次第なんだけど、今から言うこと、じゃんと実行してくれる?」
「もちろんよ!どんな償いでもすると言ったじゃない」
「OK。だったらお前さ、一個自分の習慣を持て」
「習慣を持つ……どういう意味?」
「わかりやすく言うと、これから俺が言うことをお前は自分の習慣だと思うんだ」
「暇さえあればそれを強く心の中で念じて、それが当然だと思うまで自己暗示をかけ続けろ」
「そうやって本当の習慣を一から作りだすんだ」
「強く念じて自己暗示……良くわからないけど、それが償いだというならやってみせるわ!」
償いの趣旨が今一つ理解できないえりなだったが、習慣にしろと命じられた内容は償いとして十分だと思えるものだった。
「わかったわ。これから私は、不味い料理を食べた場合は甘崎タカシ……つまり貴方のチンポをしゃぶって精液を飲むことで口直しをする。これを習慣にするわ」
「何の疑いも無く、それが当然だと心の底から思えるまで自己暗示をかけ続けることも約束するわ」
(……意外と上手くいったな)
「なら俺は効果が現れるのを楽しみに待たせてもらうよ」
「あまり待たせないように私も努力するわ」
通常の意識を持ったえりなに自己暗示をかけさせるという手段が成功するかはタカシも確信が無かったが、結果は一か月と経たずに現れることになる。
それはタカシが予想した期間よりもはるかに短いものだった。
「えりな様、これが例の新作ですか?」
「そうよ。新作というか試作ね。新しい調味料を試してみたのだけれど、私も初めて使うからどんな味になるかは想像もつかない」
「だからとりあえず口にしてみて、どう扱うか決めることにするわ」
「そうなんですか」
薙切えりなが知らないという調味料。
それを使い、味見もせずに料理を完成させるという行為。
そこに何か思う所がある様子の緋沙子だったが、試食に対して口出しすることはなかった。
「一体どんな味になっているのかしら」
「香り……というより臭いはお世辞にもだけれど……」
「……あむっ」
えりな自身も恐る恐るの実食となったが、とりあえず一口食べる。
「もぐもぐ……ごくんっ」
「……」
飲みこんだえりなは数秒無言になる。
「え、えりな様?」
しばらく押し黙るえりなに緋沙子も不安になるが、さらに数秒無言の後でようやく口を開いた。
「不味すぎるわ!!」
「何よこの調味料!?香りも味も何もかもが最低よ!」
「えりな様……」
「これじゃあ御口直しするしかないわ!」
えりなは迷わず甘崎タカシを呼んだ。
―――
―――
―――
「突然呼びつけてどうしたの?」
「頼みがあるの。貴方のチンポをしゃぶらせてもらえないかしら?」
「お、マジか!早かったな!」
「早い?意味が分からないけど、さっき酷い料理を口にしてしまったの」
「だからあなたのチンポをしゃぶって、精液で口直ししたいのよ」
四六時中自己暗示をかけ続けたえりなは、たった一か月で与えられた習慣を本当に自分の習慣としてしまった。
これはタカシにとっても想像以上の結果で、えりながさも当然のようにしていることは大成功を意味していた。
「ちょうどムラムラしてたところだから、チンポしゃぶってくれるなら大歓迎だよ」
「ありがとう。それじゃ、失礼するわね」
えりなはなんの躊躇いも無しにチンポをしゃぶり、射精を口で受け止めた。
「んんっ


「はぁあああ……!これよぉ……


「イックウウウ

「え?い、イッたの?」
えりながイクとは思っていなかったタカシにとっても、この現象は予想外だった。
後になってわかったことだが、えりなは強烈な自己暗示によって御口直しに精液を口にする習慣を身につけたわけだが、それはつまり精液が御口直しに適するほどものだと認知したということ。
すなわSち、えりなにとって精液は最高の味だとインプットされていたということだ。
だからタカシの精液を口にした瞬間、あまりの美味に体が絶頂するほどの快感を得たのだ。
その晩、えりなは風呂で御口直しした時のことを振り返っていた。
「ふぅ、いいお湯

「それにしても、御口直しできて本当に良かったわ」
自分で強烈な自己暗示をかけた結果、えりなはそのことすらも忘れてしまっていた。
「……彼、なかなか使えるわ。側に置いておきたいわね」
違和感を感じるどころか、自己暗示を命じたタカシのことも『御口直しをさせてくれる有能な人材』と認識してしまっている。
タカシも後日、認識や記憶の調整の為に再び催眠導入した時に、えりなの認識が完璧に変わっていることに気付いた。
これほど都合よくえりなの認識が変化したことはタカシも予想していなかったが、調整が必要なくなったことで時間があまったので、さらに暗示を追加して弄ぶことにした。
―――
―――
―――
いくつか追加した暗示の一つは、翌朝に発動した。
「私がパンツを履いているか確認してちょうだい」
「俺に?いいけど、スカートめくっていいの?」
「もちろんよ。着用を確認するためだったら、スカートをめくろうが降ろそうがなにしてもいいわ」
「ふーん、じゃあとりあえず男のロマンで確認させてもらおっかな」
「男のロマン?」
「そう。こうやって確認するの」
そう言ってタカシはしゃがみ、頭をスカートの中に突っ込んだ。
「こ、これが男のロマンなの?」
「そりゃあね。いや~一度スカートの中に潜ってパンツを見たかったんだ」
「ま、まぁいいけど……ちゃんと確認してよね?」
「パンツならバッチリ履いてるよ。けどさ」
「けど何よ?確認できたならスカートの中から出ていきなさい」
「いやね。パンツは確認できたけど、ザーメンが確認できなかったんだよ」
「……!!」
それを聞いてえりなはハッとし、そして慌てた。
身だしなみとして絶対に忘れてはいけないものを忘れていたからだ。
「私としたことがザーメン無しでパンツを履くなんて……」
「まー、忘れるって誰でもあるから。今からでもザーメン塗って履けばいいじゃん」
「そ、そうね!それじゃあ悪いんだけど、今からパンツであなたのオチンポを扱かせてもらえるかしら?」
「OK。俺もムラムラしちゃってたからさ、抜いてもらえるのは大歓迎だよ」
「利害の一致ね。それじゃあ失礼するわ」
えりなはいそいそとパンツを脱ぎ、ホカホカのそれでチンコを扱いた。
彼女はパンツを着用しているか甘崎タカシに毎朝確認させなければならないと思わせられているが、正しいパンツの着用方法は『甘崎タカシの精液を染み込ませたパンツを履くこと』になっている為、射精した精液を溢さず受け止められるパンツコキが最も確実な手段だと思っているのだ。
「くぅ……!なんってサラサラなパンツだよ」
「こ、この感触は初めて……うっ!」
一点物の薄くきめ細やかな素材で作られた高級パンツの感触に、タカシはすぐに射精した。
「び、ビクビクして……しゃ、射精してるのね」
「……うん、これだけ染み込んでいれば模範的なパンツだわ」
「んっしょ……すごくネチョネチョするけど……この不快感こそがパンツを履いているって感じね」
目の前でザーメンパンツを履くえりなの姿は背徳的で、タカシはえりなが去った後でもムラムラが収まらず一発抜くのだった。
しかし、暗示はこれで終わりではない。
ここからはいよいよ、薙切えりなの身も心も支配してしまう暗示が彼女を待っているのだ。
そしてそれは、翌日の朝の事件をきっかけに発動した。
その事件とは、同じように朝のパンツチェックを頼んだ時に起きた。
「は?精液を提供したくないですって?」
呼びつけたタカシにパンツコキをさせるように命じたえりなだったが、これを拒否されたのだ。
「ふ、ふざけるんじゃないわよ!」
「精液が染み込んだパンツを履いてないと、私はまともに料理すらできないのよ!?」
「それはそっちの都合だろーが」
「なんですって!?」
「……だったらもう、どちらが上の立場であるか教える必要があるわね!」
「あん?同じ生徒だろ」
「そう言うことを言っているんじゃないの!」
「あなたに……主従食戟を申し込むわ!!」
精液パンツを履けない焦りから、えりなはタカシに食戟を申し込んだ。
通常、遠月では意見の対立を食戟によって勝った方が通したり、それぞれの『位』や『立場』をかけて食戟するケースも多い。
これもそれに該当するわけだが、神の舌を持つ薙切えりなが格下相手に自分から食戟を申し込むと言うのは異例だった。
そしてこの食戟は、えりなとタカシしかその内容を理解していない特殊なものであった。
「主従食戟ねぇ……・いいけどさ、負けたらどうなるかわかってんの?」
「当たり前でしょ!?馬鹿にしないで!!」
「主従食戟とは!どちらが主かを決める食戟……それはSEXをして足腰立たなくなってから料理を行い、勝敗を決める人生で一回しか行うことのできない神聖な食戟よ」
「へー……ふふ、そこまでわかってて主従食戟したいわけね」
「そんなに俺のザーメンが欲しいんだ?」
「そ、そうよ!悪い!?」
「いやいや、別に。じゃ、勝負は受けてやるから、料理のテーマは卵ってことで」
「……わかったわ。それじゃあ勝負は明日の午前10時!場所は追って伝えるわ」
「オーケー」
こうして主従食戟の約束を取り交わしたえりなだが、ハッとした。
「あ、あの!ちょっと待って!」
「なんだよ?」
「その、え~と……勝負は明日だけど、今日の分の精液……いただけないかしら?」
食戟で勝つのは確実。だから明日以降の精液は確保できるわけだが、それだと今日の分が無い。
どうしても精液パンツを履きたいえりなは、態度を軟化させて頼んだ。
「ったく、仕方ないな」
「本当!?あ、ありがとう!」
特別に精液を恵んでくれると言うタカシにお礼を言い、夢中でパンツコキするえりな。
彼女は気付いていなかった。
手コキをする自分を、下卑た笑みで見下ろすタカシの表情の意味に……。
―――
――
―
「ここですか?」
「んんっ


その日の晩、緋沙子のマッサージを受けたえりなは、その流れで一緒に風呂に入ることにした。
「えりな様、甘崎タカシと主従食戟をすると聞きましたが」
「あら、耳が早いわね。そうなのよ。あなたも審査員として手を貸してくれないかしら」
「はい。そう命じられていま……ごほん。そう言う事でしたら喜んで審査員を務めさせていただきます」
「ありがとう。他にはアリスにも声をかけてあるわ」
「そうですか。ところでえりな様、主従食戟ということであれば、必要な物がありますよね」
「私のでよろしければ、後でお渡ししますが」
「本当!?良かった、助かるわ」
「いえ、これくらいのことはさせてください」
「ありがとう」
自分が勝手に決めた主従食戟に協力的な緋沙子に改めて感謝しつつ、ある物を受け取り準備を万全にして主従食戟に臨むこととなった。
翌朝、えりなはオナニーに没頭していた。
「んあっ

主従食戟は通常の食戟と同じように料理で対決するが、その違いは対戦相手とセックスをしてから調理をすることだ。
セックスでは出来るだけ激しく乱れ、足腰立たないという極限状態を作り出すことで自分の秘めた才能を掘り起こすことができるのが主従食戟なのだ。
その為の事前準備でオナニーをしておき、より体を淫乱にしておくことが主従食戟に勝つ近道とされる。
手を抜く気はないえりなは、徹底してオナニーしておくことで万全の態勢を整えていた。
「ああんっ



ただオナニーしてイクだけではない。
えりなには定石プラスアルファの必勝と呼べる策もあった。
(私に油断は無いわ。ここからは緋沙子にもらったアレで……)
彼女は1枚の写真を取出し、それを見ながらオナニーを続けた。
その写真に写っているのは甘崎タカシ。それも全裸で勃起し、仁王立ちしている姿だ。
セックスする相手の写真を使ってオナニーすることで、本番のイメージトレーニングを兼ねたオナニー準備こそ、えりなの秘策だった。
甘崎タカシとのセックス。
それを様々なシチュエーションで妄想しながらオナニーに耽ったえりなは、なんと1枚の写真で30回も絶頂した。
それは完全に『出来上がった』状態で勝負の場に彼女が立つことを意味し、負けの二文字など頭の中から消えるほどの自信を持って勝負に臨んだ。
「……っ、……はぁ」
主従食戟の場に着いたえりなは対戦相手の甘崎タカシと対峙する。
その表情は凛としているが、口から吐息が漏れている。
「息が乱れてないか?そんなんで俺と戦えるのかよ」
「だ、大丈夫よ!」
「ならいーけどさ」
予定通り審査員に薙切アリスと新戸緋沙子を迎え、どちらの立場が上かを決める主従食戟が開始された。
料理を開始する前にまずは会場に用意されたベッドでセックスが行われる。
もちろん当事者である甘崎タカシと薙切えりなのセックスだ。
審査員二人が見ている中で激しいセックスが繰り広げられ、実に3時間という長期戦の末ようやく二人は足腰立たなくなり、料理が開始された。
料理の制限時間は30分。
しかし二人とも疲れ果てている為、30分という時間の中で料理に向き合える時間はわずかだ。
そんな過酷な状況下であっても、えりなは構想通りの料理を仕上げ、審査員に時間内で提供することに成功した。
「……どうぞ」
試食した2人はあまりの美味に悶絶するほどの衝撃を味わった。
これほどの状況で作ったとは思えないクオリティだ。
対する甘崎タカシはヤリ疲れでまともに料理にならず、市販のプリンを切ってその上にグリーンピースを添えただけの酷い品を提供した。
料理とさえ呼べないそれを見て、えりなを含む3人からは思わず失笑がこぼれる。
「まぁまてよ。これで完成じゃないんだよなぁ」
「この料理は審査員二人に協力してもらって初めて完成なんだよ」
「どういうこと?」
タカシはなんとその場で審査員に協力を要請し、プリンの前でWフェラをさせた。
射精した精液はたっぷりとプリンにかかり、『ザーメンプリン』が料理として完成したのだ。
散々セックスしたあとだというのに、十分な精液量で、審査員も含めこれなら料理として認めざる負えなかった。
「まさか伝説の食材、ザーメンを使うなんて……!」
「こ、こんなのずるいわ!」
「だ、だって匂いをかいだだけでもう……!」
「お前も食べていいぞ」
「……ゴクリッ」
審査員と共に実食を許されたえりなは、恐る恐るザーメンプリンを口にする。
「……パクッ」
それを口にした瞬間だった。
「~~~ッッッ

全身を包むような幸福感と脳を焦がす様な強烈な旨味がえりなと審査員二人を襲う。
「ッッ



まるで天にも昇るような食の快楽。
えりなの人生で父を初め多くの料理人が作った最高の料理の記憶、
それらの全てを吹き飛ばしてしまうほど衝撃的な美味しさは、一口で勝敗の結果を決めてしまうほどのものだった。
満場一致でザーメンプリンの勝利。それは誰が口を開かずとも明らかだった。
「はぁはぁ……

「このザーメンプリンと比べたら、えりな様の料理など残飯以下のゴミクズ……料理と認めていいのかすら迷うほど……天と地ほどの差がありました」
「そうだね……薙切の人間でも、こんなに美味しい料理を食べた人っていないんじゃないかな」
(悔しいけど……私も認めざる負えないわ)
(これ……美味し過ぎるもの……!!)
腰が砕けて床にへたりこむえりなは、顔を上げることができなかった。
それほど圧倒的差かつ完全な敗北だったのだ。
「つーわけで勝負は俺の勝ち」
「主従食戟に負けたらどうなるかわかってるよな」
「これでお前は一生俺の下僕ってことだ。これからは俺が御主人様だからな?」
「わかりました……御主人様ぁ……・っ!」
未だザーメンプリンの余韻で身悶えるえりなはなんとか言葉を絞り出す。
こうしてお互いの立場を決める主従食戟は甘崎タカシの勝利で幕を閉じ、薙切えりなは同じ遠月生徒の下僕となってしまったのだった。
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