「な、何をした……」

「ごめんなさいね。痺れ薬をちょっと♥」

「クッ……」

峰不二子に接近され、その美貌に骨抜きになった男がいた。
名前はワラオ・Ａ・古瀬田という日系人の富豪だ。


「悪いけど、全部頂いていくわね」

正体を現した不二子に、家宝を根こそぎ奪われてしまう。
これは家宝を守ることに人生をかけていたワラオにとって、あまりにも屈辱的であまりにも惨い出来事だった。

「許さん……！許さんぞ峰不二子！！」

復讐を誓うワラオ。
その怒りの大きさと並はずれた実行力に不二子は気付いていなかった。

この日から約２年、不二子も盗んだことを完全に忘れた頃に復讐は実行された。



とある富豪達が集まるパーティ。
そこに峰不二子が参加するという情報を手に入れたワラオはコネクションを最大限に利用し、自分も参加した。

（いた、ようやくみつけた！）

情報通りパーティーで峰不二子を発見したワラオは、復讐の機会を待った。

（あいつの本性を知っているのはここでは俺だけ……）

（ターゲットは誰か知らんが、そいつ集中している今なら他の人間には多少油断してるはずだ）

気配を悟られないように遠くで不二子の様子を伺う。
パーティーも中盤に入り、盛り上がりがピークになりかけたその時、不二子が動いた。

（奴が動いた！男と一緒か……ということは俺の時と同じ手口か！？）

恐らく個室で男と二人っきりになり、薬を用いて自由を奪ってから盗みを働くつもりだと察したワラオは、先手を打つ為にすぐに行動した。



「ふ、不二子お前！？」

「ごめんなさいね♪」

「さ、お宝を頂戴して……この煙はっ！？」

仕事を済ませようとした時、部屋にガスが噴出される。

「う……」

急噴射で一瞬にして部屋はガスに包まれ、咄嗟にハンカチで防ごうとした不二子もガスを吸ってしまい、そのまま眠りに落ちてしまう。

静まり返る部屋に数分時間を置いて、ガスマスクを付けたワラオが入ってきた。

「成功だ！ふふ、うまくいった……うまくいったぞ！！」

眠っている不二子を見てガッツポーズしたワラオは、彼女を縛り上げて固定し、ヘッドフォンとＶＲバイザーを装着した。
そして不二子が起きたところを狙って、あらかじめ用意してきた映像と音声を流す。

「あ……う……」

ワラオが視聴させたものは、不二子を操る為の洗脳音声と映像だった。

「覚悟しろ不二子。お前の全て、俺が手にしてやる……！！」

不二子の洗脳は１５分ほどで終わり、全てが済んだ彼女を目覚めさせ、自分はパーティー会場に戻ってその時を待った。



「……あれ？」

不二子はトイレで意識が戻った。
一瞬の記憶の欠落、それはどうやっても消せない違和感を生んだが、その後に湧いた強い意志がその違和感を塗りつぶす。

「ターゲットを誘惑しなくちゃ」

不二子は【ずっと狙っていたターゲット】に声をかけ、いつも通り誘惑してホテルの部屋に入った。



「私の部屋にようこそ」

「……ゴクリッ」

不二子の体に思わず見とれそうになるが、ここで飛びつくわけにはいかない。
あくまで台本通りに進める為、不二子が暗示の通りに直接的な誘惑をしてくるのを待つ。



「何してるの？こっちへいらっしゃい」

ベッドに連れ込もうとする不二子を前にして、正体を看破する。
泥棒であること、数々の犯罪を重ねていることを突いて見せると、不二子はため息をついて本性を現した。



「バレたら仕方ないわね。じゃ、勝負しましょう？」

「どんな勝負だ」

「私が勝ったら、あなたが持っている秘宝を渡す」

「私は私を賭けるわ。負けたら私を一生好き放題。悪くないでしょ？」

「いい条件だが、勝負の方法はどうするんだ」

「見ての通り私は裸、武器も何も持ってないわ」

「だから勝負も体……つまりセックスでどうかしら」

「私がイクか、あなたがイクか、どちらかがイけばあなたの勝ち」

「どちらもイかずに終わったら私の勝ち。これでどうかしら」

「……いいだろう」

全てワラオの掌の上だとも知らず、不二子は勝つ見込みのない勝負を勝つつもりで挑んだ。



「はうっ！」

「も、もうイッちゃったの？」

数々の男を魅了してきた不二子の体でイかないわけがなく、ワラオは三擦り半でで達した。

「こ、これで俺の勝ちだな！？」

「……そうね。ここまで完璧に中出しされちゃったら負けを認めなくちゃいけないわね」

そう言うと不二子は立上り、ワラオの前で宣言した。



「負けた私はあなたのものです」

「なんなりと御命令下さい、御主人様」

「よ、よおおおし！」

この宣言を聞いたワラオはガッツポーズして喜んだ。
自分を罠に嵌めた峰不二子に復讐が完了した瞬間だったからだ。



「これからは俺の為に財宝を集めてこい」

「そ、それと好きなだけ抱かせてもらうからな！」

「かしこまりました」

「私はあなたの手となり足となり、財宝を集めてまいります」

「この体も、どうぞお好きなだけ使ってください」

「じゃ、じゃあ今からもう一回だ。や、ヤルぞ」

「はい。精一杯御奉仕させていただきます」

敗北を認め、暗示の効果によってワラオのものとなった不二子は従順だった。
ワラオが望めばどんなものでも手に入れ、世界中の男を魅了してきた体とテクニックで奉仕する最高の性奴隷だ。



「それでは行ってきます」

「もちろん、御主人様の許可なしに他の男と寝たりはしませんから」

今回命令されたのは、ワラオが以前諸事情により手放してしまった骨董品を手に入れてくることだった。



任務についた不二子は現在の持ち主と接触し、色仕掛けで誘惑する。
相手が男であれば、不二子の誘惑に抗える者は少ない。



「ねぇ？アレを渡してくれたら、この体を味あわせてあげるわよ」

「ごくり……」

こうした色仕掛けで相手を誘い出し、隙を見て眠らせ目当ての物を奪う。
その手口は変わらない。



変わっているのは不二子が自分の為ではなく、主の為に盗みを働いているという事だけだ。

「残念だったわね。おあずけよ」

「私の体を抱けるのは御主人様だけなの」

生まれ変わった不二子は、徹底してワラオの為だけに尽くした。



骨董品を手に入れ帰還した不二子は、御褒美と称して好き放題抱かれた。



何日かしてワラオが満足するとまた新たな命令が下される。

「ロマノフ王朝の秘宝を手に入れてこい……ですか」

「かしこまりました御主人様」

盗みとセックス、これを交互に繰り返すだけの女。
だが不二子はワラオに負け、一生を差し出している身。この待遇に不満は一切なく、当然のことだと思って淡々と命令を実行した。



命令が下れば不二子は即座に準備に取り掛かり、情報収集から実行までを迅速に行う。
雑念や遊びの要素を取り除いた不二子の手際は、まさにプロの仕事と言える完璧なものだった。



「ロマノフ王朝の秘宝……手に入れたわ。あとは御主人様の所へ持って帰るだけ……」

今回の命令も極めて短期間で完遂し、不二子はワラオの元へと戻ってきた。



「御主人様。ロマノフ王朝の秘宝、手に入れてまいりました」

「おぉ！相変わらず凄い早さだな」

「……ん？モノはどこにあるんだ？」

盗んだものを差し出すときはいつも全裸だが、いつもなら手に持っているはずの宝が見当たらない。
別の場所にあるのかとも思ったが、そうではないらしい。

「では、今から出します」

「だす？」



「はい。んっ、こ、ここから……んん！だ、出します」

なんと不二子は自分の膣内に秘宝を入れて、ここまで運んできたのだ。
主の目の前で必死に力み、奥に隠していた秘宝をひねり出す。

「お、おぉ……！」

アソコから顔を出し、ボトリと床に落ちる秘宝。
その光景に思わずワラオからも驚きの声が漏れる。

その声にどこか性的な興奮も混じっていることを察した不二子は、そのままセックスに誘導する。

「御主人様。秘宝が入っていた私のアソコでスッキリしてはいかがですか」

「そ、そうだな！」

鼻息荒く服を脱ぎ捨てたワラオはギンギンに勃起していて、不二子は挿入しやすいように尻を向けた。



「ああんっ御主人様のオチンポ入ってきたぁ」

挿入された不二子は淫らで下品に喘いだ。
それがワラオの好みだからだ。



「ああんっカリがこすれてぇ」

「すごいわぁっ」

「あ、ああっ」



「おほっあひっ」

「オマンコッ奥まで届いてっんああっ」

「い、イキそう……くぅ、ああ！」



「御主人様に中出しキメられちゃってまーす」

すっかり下品になった不二子は今や仕事以外ではただのチンポ狂いでしかない。
そうしたのはワラオだが、彼は満足していた。
それが彼にとっての復讐だったからだ。

そして長い年月が過ぎた後、彼の復讐は遂に完成を見る。



ワラオは闇オークションに不二子を出品したのだ。
この時不二子は既に48歳。
ワラオの子供も１０人以上出産し、その体にもすっかり飽きられてからの出品だ。

相変わらずの容姿ではあったが、ついた値段は9万4千ドル。
全盛期なら1億ドルは下らなかった彼女は、100分の一以下の価値で落札された。

女として、人間としての尊厳を全て失って、どこの誰とも知らない小金持ちの慰み者として生涯を終える。
ワラオ自身は直接手を下さず、不二子という女は破滅に終わる。

こうして復讐は完成した。