四宮かぐやは催眠になんてかからない？

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四宮かぐやは催眠になんてかからない？

かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜 - 2023年02月14日 (火)

「催眠術ですか？」

「そうです！かぐやさんにかけてみたいなーって♪」

藤原がまたいつものごとく何かに影響されて催眠術をかけたいと言い出した。
当然かぐやは催眠術など信じていないし、ましてそれをするのが藤原なら１００％かからないという自信があった。

「私はかからないと思いますよ」

「いいえ！かぐやさんは頭がいいですから、むしろかかりやすいはずです！」

「……はぁ。まぁいいでしょう。ちょっとだけですよ」

「やった！じゃあいきますよ～？」

この日は珍しく仕事がなかったこともあり、かぐやはお遊びに付き合うことにした。
しかしかぐやの予想と自信に反して、藤原の催眠導入は完璧な手際であり、かぐやは催眠状態に陥ってしまった。

―――２０分後

「～～～ッッ！」

かぐやは自分が催眠にかけられたことも忘れ、暗示の効果で焦っていた。

（男性一人誘惑して魅了できない女が会長を落とせるわけはない！相応しいわけがない！）

「決めました！」

「私、カレを落として会長に相応しい女になります！！」

誰もいない生徒会室で決意を叫んだかぐやは、さっそく男を落とすためのテクニックを学んだ。

「ふむふむ……なるほど、男性はこういうのが好きなんですね」

たまたま持っていた本を読み進め、男の落とし方を理解していく。
どれも彼女には刺激の強い内容だったが、白銀に相応しい女になるためだと思えばどんな内容でも素直に吸収することができた。

「……とりあえず一通りは理解できました。あとは実践するだけです」

かぐやは目的の男を生徒会室に呼び出し、本に書いてある通りの誘惑を試みた。

―――

――

－

「あの四宮の副会長が、俺を生徒会室に呼ぶだなんてどういう用件です？」

「用件……そうね、ところでなのだけれど、ケーキはお好きかしら？」

かぐやは帰られないように話を逸らしつつ、しきりに足を組み替えた。
わざとパンツを見せ、誘惑しようと言う作戦だ。

「ケーキですか。好きですけど」

（……これくらいじゃダメということね）

パンツ程度ではまるで靡かない男に、かぐやは次なる一手を考える。

「ちょうど良かった。ケーキがあるので、是非召し上がってください」

「おぉ、ありがとうございます」

「いえ。今棚から出すので、そのまま待っていてください」

かぐやは立ち上がり、ケーキとお茶を用意してテーブルに置く。
全部の食器をテーブルに置いた直後、かぐやはわざとよろめいてソファに倒れ込む。

わざとパンチラするようにして倒れ込み、相手の視線を伺った。

（……馬鹿な！？これでも靡かないというの！？）

これも失敗し、この場ではもはや打つ手が無くなってしまう。

（こうなったら……！）