she was possessed by the spirit ～耳郎響香～

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she was possessed by the spirit ～耳郎響香～

僕のヒーローアカデミア - 2023年01月08日 (日)

「あのー、すいません」

「雄英ヒーロー科の生徒さんですよね？」

「え？あ、はい。そうですけど、なんですか？」

耳郎響香はこの日、街に買い物にでかけていた。
今は雄英の寮に帰宅途中だったのだが、近くまで来たところで中年の男が話しかけられたのだ。

男はある物を拾ったので見て欲しいと言って、耳郎にそれを差し出した。

「なんですかこれ？」

「光る、玉……？」

薄い黄色に光る水晶玉のような物を覗き込んだ瞬間だった。

「はうっ⁉」

その瞬間、中年の男の魂が耳郎の体に憑依し、抜け殻になった元の男の体はバタッとその場に倒れた。

―――

――

－

「ふー、憑依成功」

「……名前は耳郎響香。うん、記憶も読める読める♪」

（この体、馴染みが早いから人格の吸収も２、３日で出来るな）

（個性も……問題無く使えるし、もうこの女……いやウチの体はウチのもんだね）

「ヒーローの卵の人生もーらい

」

こうして『耳郎響香』は中身に別の魂を宿して日常に戻った。

―――

――

－

「耳郎さん、最近凄い張り切ってますわね」

「うん！なんだか楽しくてさ」

（仲間との友情ごっことか、たまらないっしょ♥)

前に憑依したのが中年のヴィランだったこともあり、若くヒーロー候補生という立場の耳郎でいることは楽しかったのだ。

「それに耳郎さん、あなたも複数個性持ちだとは思いませんでしたわ」

「それね。ウチも驚いたけど、緑谷と同じパターンみたい。あとからわかる奴」

「なるほど。そう言われてみれば納得ですわね」

訓練や授業は大変だったが、元の耳郎の記憶も読み取れるし、何より様々な人間に憑依してその記憶や知識・技術・さらには個性をを吸い上げてきた魂がそれらを活用すれば、苦はなかった。

「はー…でもやっぱり雄英だな」

「結構スパルタ。ウチのこの若い体でも疲れる」

（あぁ……部屋に戻ったらオナらないと）

（っていうか良い男いっぱいいるし、ヤりてぇ……）

（でもウチ、処女なんだよね……ま、いっか♪性欲優先！プルスウルトラってね♪）

それからの耳郎響香は仮免ヒーローとして訓練の日々を過ごす裏で、いろんな男と寝るビッチになっていった。

学園の内外に関わらずヤりまくる耳郎は、いつしか子を孕み、取り返しのつかないことになってしまう。
そうなると『耳郎響香』でいることで面倒なことも増えてきたため、憑依した魂はまた次の憑依先を探しに体から出てしまう。

最悪なことに、魂は抜ける時に憑依されている間の記憶と、憑依していた人間の個性を全て奪う形で抜けていく。
つまり、憑依が解かれた人間はその間の記憶を失い、個性も消失した状態で憑依直前の状態に戻ってしまうのだ。

耳郎響香が正気に戻った時。
それは妊娠し退学したあとで、出産予定日を数日後に控えた時という最悪のタイミングだった……。

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