九鬼揚羽とクズ社員

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真剣で私に恋しなさい！ - 2023年01月01日 (日)

「コラ！またサボッってるな！？」

九鬼揚羽が代表を務める会社の社員が、サボッっているところを見つかってしまう。
砂堀哉郎という男性社員で、頻繁に仕事を抜け出している問題社員だ。

何度も繰り返すので、揚羽自らクンロクを入れる為に現行犯を抑えたというわけだ。

しかし、揚羽はわかっていなかった。
砂堀哉郎の狙いが、揚羽本人と二人っきりになることだったということに。

「イレカエイレカエタマシイイレカエエエエ！」

「は？」

突如として奇声をあげた哉郎。
すると揚羽に異変が起きる。

「はうっ！？」

「な、わ、私が目の前にっ……！？」

「……クックック、九鬼揚羽の体ゲーット♥」

異変が起きた次の瞬間、目の前に自分がいる揚羽。
なんと砂堀哉郎は揚羽と魂を入れ替えてしまったのだ。

「き、貴様何をしたんだ！？」

揚羽の体に掴みかかるが、四天王の揚羽の体にはビクともしない。

「ハハ、すっごい体幹してるな。へっちゃら過ぎ♥」

「～～ッッ！？」

「じゃ、事後処理といきますか♪」

「わっ⁉」

動揺する哉郎の体をした揚羽を小突くと、思いのほか強く倒れ込む。
尻もちをついて痛がる哉郎の額を指で押さえると、「九鬼揚羽」は強い口調で呪文を唱えた。

「オモイコミオモイコミイイイ！」

「オマエハサボリヤロウ　オマエハサボリヤロウ！」

「オモイコミオモイコミイイイ！」

「ひい！？」

強烈な念を送り込まれた哉郎はバタッと倒れる。

今の呪文は入れ替えた揚羽の魂を洗脳し、砂堀哉郎本人だと思い込ませてしまったのだ。

「あーあ、気絶しちゃったかw]

「強靭な精神ほど反動がキツイからなぁ」

気絶した哉郎を見下ろし、頭を撫でながら囁く。

「今度の体はフツーの一般人なんだから、無茶しないようにな」

「フフ、こっちは安心してくれよ。俺は……いや、私はこの体の記憶も何もかも、ちゃんと読み取れるから♥」

「上手く九鬼揚羽として、好き勝手させてもらうさ。色々たどって、ようやく手に入れた九鬼の長女の体でな♪」

「今までのことも全部読み取れる。フフ、ほーらわかってきた……ハハ、どうやら私は随分とお前のことを嫌悪していたようだな」

「お前のことはこれからはせいぜいこき使ってやる。」

「覚悟しておけよ？サボリ社員の砂堀哉郎くん……♪」

気絶した哉郎を置き去りにして、「九鬼揚羽」は仕事に戻るのだった。

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