魔法少女リリカルなのはTB / STAGE-19 お仕置き
魔法少女リリカルなのは - 2021年11月24日 (水)
八神はやて洗脳の翌日、ウーノは低村ニナヒの部屋を訪れていた。
「御主人様、御報告があります」
「うん、とりあえず聞こうか」
「はい。昨日の陽動作戦にてクローンスカリエッティの部隊に運用させた御主人様の触手ですが、先程回収部隊が戦闘区域の建物残骸の中から発見に成功したとの連絡が入りました」
「かなり損傷しているようですが、機能停止までは至らなかったようです」
「そっか。ま、完全に壊れはしてないだろうなとは思ってたんだ」
「距離があり過ぎて直接感覚共有できないけど、消失したら僕はわかるんだ」
「その感覚が無かったから、無事なんだろうなって」
「なるほど」
自らの触手が無事だと聞いて、なぜかニナヒは残念そうだった。
中途半端に壊されるくらいなら、完全に破壊してもらった方が良かったと思っているようだ。
「ところで、ちょうどよかった。お仕置きして良い?」
「……承知しました」
「理由きかないの?」
「御主人様の意を妨げるような真似はいたしません」
言葉には「どんな理不尽でも」という含みがあったが、それが言い掛かりのお仕置きだったとしてもかまわないと言うのは本心だった。
完璧に洗脳されているウーノは、仮に遊び半分で命を取られようがそれがニナヒのすることであれば喜んで受け入れるのだ。
「お仕置きされる心当たりはあるの?」
「はい。昨日の作戦、私の予測が外れた部分もあり予定が狂いました」
「申し訳ございません」
「わかってるならいいんだ」
「じゃ、作戦をミスるような参謀はいらないってこともわかるよね?」
「……はい」
この時、ウーノは自分がどうなるのかをおおよそ察していた。
それでもニナヒがそうしたいなら構わないと覚悟を決めて返事をしたのだ。
「僕が思うに多分、余計なことを考えているからだと思うんだ。だからね―――」
―――
―――
―――
「あ、ウーノ。ちょっといいか?」
「はい。ご用件をどうぞ」
「ん?ウーノ……?」
廊下でウーノに会ったクアットロだが、話しかけてみると様子がおかしい。
何かあったのかと尋ねると、ウーノは機械的に答えた。
「ご質問に回答します」
「私は先程、ニナヒ様に感情と任務遂行に不要な思考を削除されました」
「以上です。ご用件をどうぞ」
「いや……別に何もない」
「承知しました。では失礼します」
あまりにも機械的な反応をするようになったウーノに、クアットロは様々な感情が混じったため息をはいた。
「はぁ……ウーノはもう人とは呼べないな」
自分はそうならないようにしようと思うクアットロは、同時に秘書と参謀を兼ねていたウーノに取って代わるチャンスだと考えるのだった。
つづく
「御主人様、御報告があります」
「うん、とりあえず聞こうか」
「はい。昨日の陽動作戦にてクローンスカリエッティの部隊に運用させた御主人様の触手ですが、先程回収部隊が戦闘区域の建物残骸の中から発見に成功したとの連絡が入りました」
「かなり損傷しているようですが、機能停止までは至らなかったようです」
「そっか。ま、完全に壊れはしてないだろうなとは思ってたんだ」
「距離があり過ぎて直接感覚共有できないけど、消失したら僕はわかるんだ」
「その感覚が無かったから、無事なんだろうなって」
「なるほど」
自らの触手が無事だと聞いて、なぜかニナヒは残念そうだった。
中途半端に壊されるくらいなら、完全に破壊してもらった方が良かったと思っているようだ。
「ところで、ちょうどよかった。お仕置きして良い?」
「……承知しました」
「理由きかないの?」
「御主人様の意を妨げるような真似はいたしません」
言葉には「どんな理不尽でも」という含みがあったが、それが言い掛かりのお仕置きだったとしてもかまわないと言うのは本心だった。
完璧に洗脳されているウーノは、仮に遊び半分で命を取られようがそれがニナヒのすることであれば喜んで受け入れるのだ。
「お仕置きされる心当たりはあるの?」
「はい。昨日の作戦、私の予測が外れた部分もあり予定が狂いました」
「申し訳ございません」
「わかってるならいいんだ」
「じゃ、作戦をミスるような参謀はいらないってこともわかるよね?」
「……はい」
この時、ウーノは自分がどうなるのかをおおよそ察していた。
それでもニナヒがそうしたいなら構わないと覚悟を決めて返事をしたのだ。
「僕が思うに多分、余計なことを考えているからだと思うんだ。だからね―――」
―――
―――
―――
「あ、ウーノ。ちょっといいか?」
「はい。ご用件をどうぞ」
「ん?ウーノ……?」
廊下でウーノに会ったクアットロだが、話しかけてみると様子がおかしい。
何かあったのかと尋ねると、ウーノは機械的に答えた。
「ご質問に回答します」
「私は先程、ニナヒ様に感情と任務遂行に不要な思考を削除されました」
「以上です。ご用件をどうぞ」
「いや……別に何もない」
「承知しました。では失礼します」
あまりにも機械的な反応をするようになったウーノに、クアットロは様々な感情が混じったため息をはいた。
「はぁ……ウーノはもう人とは呼べないな」
自分はそうならないようにしようと思うクアットロは、同時に秘書と参謀を兼ねていたウーノに取って代わるチャンスだと考えるのだった。
つづく
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