真剣で私に相談しなさい！川神一子編その６

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真剣で私に相談しなさい！川神一子編その６

真剣で私に恋しなさい！ - 2019年05月04日 (土)

「英雄君、いつも奢ってくれてありがとうっ」

川神一子が九鬼英雄と付き合い始めて既に３ヶ月。
未だ関係は続いていて、多忙な英雄も出来るだけ時間を割いて一子とデートしている。

「そうだ、今日は英雄君に話したいことがあったの」

「我に話？折り入ってのことですか？」

「うん」

一子は場所を変えて、夜景の見える公園でベンチに座った。

「英雄君と初めてデートしたあの日、私がもう妊娠していたことは伝えたよね」

「う、うむ……」

「あれから３ヶ月経って、見ての通りお腹も少し膨らんできたんだ」

「英雄君のじゃない子を身ごもっていて、父親が誰かも言わないひどい私なのに、それでもいいと付き合ってくれて本当に嬉しかった」

「ありがとう」

「……」

「今日まで英雄君と一緒に過ごして、英雄君の良いところやなんていうのかな……器の大きさが凄くわかったの」

「この人なら……って思えた。だから……ね」

「一子殿……」

「だから私、そんな英雄くんと結婚したいの」

「わ、我と結婚！？」

「うん。経済力も社会的地位もある英雄君なら、私もお腹の子供も何不自由ない生活が送れる」

「……托卵っていうのかな、あなたの子じゃない、お腹の子を、英雄君と一緒に育てたいの」

「だから私と……結婚して下さい！！」

硬直する英雄をよそに、一子は一方的な逆プロポーズを続けた。

「もし結婚してくれるってなっても、お腹の子供が誰の子かは私の口からは言えない……けど結婚したら、九鬼一子として夫婦になれるんだよ」

「私と夫婦になりたいでしょ？それに夫婦になったなら当然……夜の営みもしてあげる」

「５年に１回くらい、私の手で英雄くんのインポをなでなでしてあげるよ」

「もちろん分厚いゴム手袋はするし、アルコール消毒もしてもらうけど、夫婦の触れ合いにはそれで十分だよね」

「結婚１０年記念日には、私の体液もサービスしちゃうわ」

「唾をペッてインポにかけてあげる。唾とはいえ私の体液があなたと触れるのは凄く嫌なのよ？けど、夫婦だし１０年目の記念日だったらそれくらいしてあげたいって思うの」

「それくらいの覚悟を持って、英雄君と結婚したいって思うの」

「だからお願い、私と結婚して子供を一緒に育てて欲しい！」

「……！」

ここまで言っても無言を貫く英雄に対し、一子も理解を示した。
いきなりすぎるプロポーズだということは一子もわかっていて、返事は後日でも良いというのだ。

「もし悩んだら、誰かと相談してからでいいよ」

「一子殿……」

言われた通り一旦答えを保留にした英雄は、自分が最も信頼している伊達操助に相談した。
プロポーズの一部始終を伝え、答えをどうするか悩んでいると打ち明けた英雄に対し、操助は想像の斜め上を行くことを教えた。

なんと操助が、一子のお腹にいる子の種親だと告げたのだ。

その事実を知り、操助に対して完全に男としての敗北を悟った英雄は、自らの意志でどうすべきか命令して欲しいと操助に頼み、一子と夫婦になれと命じられるままにプロポーズを承諾した。

一子の為に一生を捧げ、一子が全てを捧げている操助の為に生きることを誓いプロポーズを受け入れた英雄に一子は飛び跳ねて喜んだ。

つづく