「……あれ？私……」

「あ、あぁそうだった……センパイに振られた腹いせに、男漁りしに来たんだった」

「はぁ……とは言ってもセンパイ以上の人なんて……あ！」

（あの男の人……凄い…直感でわかる。この人だって……！）

(これはまたとないチャンスだわ！あの人をゲットしなくっちゃ！)

磯崎泉は一目惚れに近い感覚に陥り、その勢いのまま相手の元へ駆け寄り、進行方向に立ちふさがる形で声をかけた。

「あの！ちょっとすいませんっ」

「はい？」

「こ、このあとって暇ですか？」

ナンパ慣れしていない泉はかなり挙動不審だったが、それでも可愛い泉を見て男は誘いに乗ってきた。

「お茶する？それともどこか遊びに行く？」

「お茶…遊び……？」

「いやいや、そう言うことじゃないんですよ」

腹いせの男漁りをしにきた泉だが、彼女にとって「男漁り」とは遊びの意味ではなかった。
どういう意味かをハッキリわかってもらうため、男の耳元でささやく。

「アナタのこと、一晩買いたいの」

「……え？」

「もー、だからね？」

「お金を払うから、私とセックスしてってこと」


「ええ！？本当に言ってるの！？」

「もちろん３枚でどうかな？もちろん、ホテル代もちゃんと出すし、先払いだよ♪」

どう考えてもあり得ない、おかしい誘い。
だが泉の誘惑に逆らえなかった男はホテルについていき、泉もしっかりと先に金を渡してきた。

ここまでくると本当だと信じた男は、泉を抱いた。
そして悲劇は起こった。

挿入した瞬間、泉は正気に戻ったのだ。
だが、泉に買われた男は最後まで泉を抱いたし、何の揉め事も無くホテルを後にした。



泉は正気に戻りはしたが、暗示によって表向きは男漁りをする女のままにさせられてしまっていたのだ。

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